培養液中のカリウムおよびカルシウム濃度がトマトの果実内酸含量におよぼす影響
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概要
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1. トマト「福寿2号」をK, Ca濃度を変えた培養液で砂耕し, 果実と葉の酸含量に対する影響を調査した。またK濃度を時期的に変え, その果房位の異なる果実への影響をみた。2. K濃度を高くすると, 遊離酸, 全酸, 結合酸含量が増加した。しかし遊離酸の全酸中に占める割合はほぼ一定に保たれた。一方K含量も増加してその全陽イオン中の割合も高まつた。Ca濃度を高めると, K濃度の高い区ではKの効果を多少低めるように影響したが, Caの酸含量に対する効果はKの効果にくらべて小さかつた。3. 葉の酸は大部分結合酸で, 有機酸はリンゴ酸がクエン酸よりも多く存在した。培養液のK濃度を高くすると, 若い葉では遊離酸, 全酸, 結合酸含量が増加したが, 古い葉では逆に減少した。Kは若い葉では全陽イオンのほとんどすべてを占めたが, 古い葉では低い割合を示し, 他のNaなどの増加が顕著だつた。4. 培養液中のK濃度を時期によつて変えると, 果房位の異なる果実の酸含量に影響が現われた。第1果房開花時より第6果房開花時までのK濃度は第2〜第6果房の酸含量に影響し, また第6果房開花後に始めた処理の影響は第3〜第6果房にみられた。各果房の酸含量とK含量とは密接に関係し, Kと遊離酸, 全酸との間にそれぞれ0.91, 0.96また結合酸と遊離酸, 全酸との間にもそれぞれ0.92, 0.97の相関係数が得られた。
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