キュウリ果実の生長に及ぼす果実温度の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1. ガラス室で栽培したキュウリの幼果を植物体に付けたまま果実チェンバーに入れ, 果実周囲の温度を5〜30°Cの一定温度とする処理を行い, 果実温度が果実の体積生長に及ぼす影響を調べた.2. 果実体積の相対生長率 (RGR) は約5°Cで0となり, 高温ほど高い値となった. RGRの果実温度と果実体積に対する重回帰を各栽培時期について品種別に計算すると, いずれも重相関係数が高かった. RGRは果実温度及び果実体積とそれぞれ正, 負の偏相関を有した. その重回帰式は体積が等しい果実では. RGRが果実温度に対してほぼ直線的に関係することを示した. しかし, RGRのアレニウス•プロットは12°C付近に屈曲点を持つ直線で表され, 果実生長がこの温度を境に質的に異なる可能性が示唆された.3. RGRのQ10は15〜30°Cの範囲では季節にかかわらず約2であったが, 春のRGRは冬の値より, その範囲のいずれの温度においても高かった. これらの結果を説明するため, RGRの季節間差は果実に流入する師部液の糖濃度の季節間差によってもたらされ, また, 果実温度は果実に対する師部液の流入速度を決定するという仮説を示した.4. 供試した2品種間でRGRの温度反応には差が認められなかった.
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- ベニタデのアントシアニン含量に及ぼす単色光の影響
- アスパラガス若茎の伸長生長に及ぼす貯蔵根の量及び温度の影響
- 温床床土に関する研究(第4報) : 果菜類苗の根系の発達と移植の植えいたみについて
- 着果状態におけるキュウリ果実の体積生長と呼吸の関係
- アスパラガス若茎の生長に対する肥料及び光の影響
- アスパラガス貯蔵根における発芽前後の糖の変化
- キュウリ果実の生長に及ぼす果実温度の影響
- 収穫後のキュウリ果実における果肉の呼吸と気体蓄積の関係
- 収穫したキュウリ果実及びカブ肥大根組織における気体の蓄積と圧力上昇
- 着果状態におけるキュウリ果実の体積推定と生長解析
- プレッシャーチエンバーによる植物組織中の気体の圧力及び体積の推定法
- ハナヤサイ花らいめしや光法としや光作業時間, 収量, 品質の関係
- 植物体から切り離されたトマト果実における酸含量の変化
- 数種の果実における発育中の酸含量の変化
- トマト果実の酸含量に及ぼす灌水•温度•遮光の影響
- トマト果実の酸含量に及ぼす窒素•リン酸•カリの影響
- トマト果実内酸含量の発育中の変化
- 培養液中のカリウムおよびカルシウム濃度がトマトの果実内酸含量におよぼす影響
- アスパラガス若茎の伸長生長に及ぼす気温の影響と若茎重の推定
- グラジオラス花被の生長に伴う水分生理,炭水化物含量および酸性インベルターゼ活性の変化
- トマトの高温障害に関する研究 (第1報) : 苗齢と障害の程度
- キャベツの苗取り作業の能率化に関する研究
- 切り花グラジオラス小花における可溶性糖の輸出および生体膜のイオン透過性の増加
- 果柄部を熱環状除皮した後のキュウリ果実の体積生長と呼吸の関係
- 洋ナシバートレットの追熟について (第2報) : 冷蔵および追熟中の成熟過程ならびに呼吸量
- 洋ナシバートレットの追熟について(第1報) : 追熟温度と冷蔵処理の影響
- ハスにおける非アイソトープAFLP分析
- 機械的に肥大を抑制したカブ肥大根の糖濃度について