果柄部を熱環状除皮した後のキュウリ果実の体積生長と呼吸の関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
キュウリ品種ときわ光3号A型の着果状態の果実を15~30°Cの一定の温度に制御した状態で果柄部を熱環状除皮または切断する処理を行い,処理後の果実の体積生長と呼吸の関係を調べた.<BR>熱環状除皮処理後果実体積は最大約30%まで増加した.処理後1日間の生長量はQ10=2の温度反応を示した.<BR>熱環状除皮と果柄部切断では処理後の果実の呼吸速度の時間変化はほぼ同様だった.処理t時間後の呼吸速度(R)はR=a•e<SUP>-b•t</SUP>+cによく当てはまった.定数bとcのQ10は約2だった.<BR>果実温度が30°Cのとき,果実の呼吸量は直線回帰によって体積と体積生長量に比例する2成分に分離できた(r=0.99<SUP>**</SUP>).この回帰から推定された維持呼吸速度の値はcに近かった.<BR>熱環状除皮後,果実の乾物重,エタノール可溶性固形物含量,エタノール不溶性固形物含量は有意には変化しなかった.果実の浸透ポテンシャルの変化は生長に伴う希釈によって説明できた.果実のヘキソース含量は処理後約15%低下した.<BR>以上の結果から,熱環状除皮後の果実肥大のエネルギー要求は正常に生長している果実とほぼ同じと思われた.キュウリ果実のエネルギー代謝は水の流入を伴う細胞肥大の過程と密接に関連していると思われた.
著者
関連論文
- ベニタデのアントシアニン含量に及ぼす単色光の影響
- 着果状態におけるキュウリ果実の体積生長と呼吸の関係
- キュウリ果実の生長に及ぼす果実温度の影響
- 着果状態におけるキュウリ果実の体積推定と生長解析
- アスパラガス若茎の伸長生長に及ぼす気温の影響と若茎重の推定
- 果柄部を熱環状除皮した後のキュウリ果実の体積生長と呼吸の関係