数種の果実における発育中の酸含量の変化

概要

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普通温州ミカン「尾張系」, 早生温州ミカン「宮川早生」, ブドウ「キャンベルス•アーリー」および「デラウエア」, 和ナシ「菊水」, モモ「白鳳」を用いて, ほぼ開花期から収穫期までの果実全体の酸含量の変化を調査し, 比較検討した。1. 新鮮重100gあたりの遊離酸, 全酸, 結合酸の各含量ならびに全酸/結合酸の比の発育中の変化については, ミカン, ブドウ, モモで類似性が認められた.2. これらのうち, 遊離酸含量は発育の中•後期に最大となる山型の曲線を示した。全酸含量は発育初期に高いが, 一度減少し, ふたたび発育の中•後期に最大となり, その後減少した。結合酸含量は発育初期に高いが, その後減少し, 以後は多少増加することがあつても, 低い値を示した。全酸/結合酸の比の値は発育中期に最大となる山型の曲線を示した。3. 和ナシは上記の果実と異なり, 遊離酸, 全酸, 結合酸の各含量は発育初期にもつとも高く, 以後減少を続けた。また全酸/結合酸の比の値は低く, 発育につれ, わずかながら増大した。4. 1果あたりの酸含量は果実の種類によつてまちまちの変化を示し, あまり共通性が認められなかつた。
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