収穫適期幅が長く安定多収なさとうきび新品種「NiTn20」の育成
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概要
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「NiTn20」(旧系統名「KF92T-519」)は九州沖縄農業研究センターにおいて育成された、収穫適期幅が長く安定多収なさとうきび新品種である。安定した収量と早期高糖性を具える品種を育成するために、種子親として、糖度上昇が早く、茎揃いの良い「NiF4」を、花粉親として、発芽、萌芽、初期生育が優れ、分げつ性が強く黒穂病抵抗性の茎数型多収品種「NiF5」を選定し、交配を行った。得られた種子から実生を養成し、実生選抜、4回の栄養系選抜、系統適応性検定試験、特性検定試験、奨励品種決定調査を経て育成した。2004年に沖縄県の奨励品種として採用され、2005年に「さとうきび農林20号」として命名登録された。発芽は「NiF8」と同程度に良く、萌芽は「NiF8」、「Ni9」よりも優れる"極良"である。分げつ性は「NiF8」よりも優れる"やや強"である。原料茎数は春植えで「NiF8」より多く、株出しでは「NiF8」、「Ni9」より多い。沖縄県八重山地域および沖縄本島南部地域において、春植え、株出しともに、「NiF8」、「Ni9」よりも原料茎重、可製糖量が多い。株出しで発生の多い黒穂病に対する抵抗性は"強"である。早期高糖性で、12月収穫では「NiF8」よりも高糖多収である。また、生育初期から茎の伸びが良く、既存品種の収量が少ない圃場(島尻マージ土壌)でも比較的多収である。黒穂病汚染地域が多く、通常の年は12月に収穫が行われている沖縄県八重山地域および沖縄本島南部地域に普及する見込みである。
- 2009-03-00
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