南西諸島各地で安定して高糖性を発現するサトウキビ品種に必要な特性
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概要
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南西諸島各地におけるサトウキビ品種・系統の高糖性発現と登熟特性との関係を解明し, 安定高糖性品種を効率的に育成するための方策を検討した.品種・系統の高糖性および早熟性を示す指標として, 10月, 11月, 12月および1月の糖度について, 標準品種の値との比を用いて糖度比, 最高糖度比, 登熟程度比を算出した.各指標は年次間相関が高く, 品種間差異が認められた.多数の品種・系統を用い, 石垣島, 宮古島, 沖縄本島, 沖永良部島, 徳之島, 種子島の6試験地で測定した糖度と, 種子島における糖度比, 登熟程度比, 最高糖度比との関係を検討した.Ni12やNiF8などは11月の糖度比が高く, 南西諸島各地で高糖性を発現した.供試品種・系統の糖度の, 6試験地の平均値は種子島における11月および12月の糖度比と正の相関が認められ, 種子島で11月および12月に高糖性を示す品種・系統は, 南西諸島で平均して高糖度であった.供試品種・系統の糖度の, 6試験地間の変動係数は種子島における11月の糖度比, 登熟程度比との間に負の相関が認められ, 種子島で11月に高糖度である品種・系統は試験地間の糖度の変動が小さかった.一方, 6試験地間の変動係数と最高糖度比や1月の糖度比との間には相関関係が認められなかった.南西諸島各地での安定的な高糖性発現にはいわゆる高糖性だけではなく, 早期型の高糖性が必要であった.品種・系統の12月の糖度比は最高糖度比との相関が高く, 10月および11月の糖度比は登熟程度比と相関が高かった.早期型高糖性には, 高糖性と早熟性の結合が必要であった.九州農試の最近の育成系統の11月および12月の糖度比は, 大部分が標準品種NCo310より高かった.しかし, 10月の糖度比や登熟程度比はNCo310より低い系統が多かった.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 2000-12-01
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