サトウキビ新品種「Ni22」の早期収穫適性

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鹿児島県におけるサトウキビの生産性向上に向け,株出しで多収,早期(12月)収穫が可能な新品種「Ni22」を育成した.早期収穫,特に12月の収穫では,優れた生育,早期高糖性に加え,株出しの良否が重要となる.「Ni22」は,「NiF8」と同等以上に発芽,萌芽が良かった.また,「NiF8」に比べ,生育初期から茎伸長が良く,分げつ性に優れ,収穫期においても茎長が長く,茎数が多かった.さらに,「NiF8」と比較して,早期から蔗汁糖度,純糖率が高かった.これらのことから,「Ni22」は早期収穫向け品種としての特性を具えていると考えられた.「Ni22」を用いて早期収穫を実施したところ,育成地(熊毛地域)の1月収穫後の株出し12月収穫において,「NiF8」と比較して甘蔗糖度が高く,原料茎重が重く,可製糖量が多かった.12月収穫後の株出しを11月に収穫した場合では,甘蔗糖度は「NiF8」に比べやや低かったが,原料茎重が重いため可製糖量が多かった.鹿児島県・徳之島支場(奄美地域)における新植,株出しの12月収穫では,甘蔗糖度は「NiF8」と同程度であるが,「NiF8」よりも原料茎重が重く,可製糖量が多かった.以上のように,「Ni22」は「NiF8」に比べ,早期収穫への適性が高いことが明らかとなった.現在,熊毛,奄美の両地域において早期(12月)収穫向けとして活用が進んでいるところである.熊毛地域では12月収穫の糖度と収量の向上をとおし,また,奄美地域では12月収穫実現による収穫作業の分散等をとおし,サトウキビの生産性向上に期待が持てる.
2009-05-15

サトウキビ新品種「Ni22」の早期収穫適性

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