サトウキビのスクロース含有率とスクロースリン酸シンターゼ活性の関係
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概要
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圃場および温室で栽培したサトウキビの節間柔組織を材料として, 糖含有率およびスクロースリン酸シンターゼ(SPS)活性を測定した.圃場, 温度調節温室内のどちらにおいても, 低温条件下でサトウキビは登熟し, 高いスクロース含有率と低い還元糖含有率を示した.このような低温条件下でSPSは高い活性を示し, SPS活性は登熟条件である低温下で高まるものと考えられた.圃場で栽培した早期高糖性品種NiF4のスクロース含有率とSPS活性は, F172に比べ, ともに高い値を示した.しかし, 温室では, 品種間におけるスクロース含有率とSPS活性の間に明瞭な関係が見られなかった.SPSと相反する作用を有する酸性インベルターゼ(AI)の活性は, 温室ではスクロース含有率と明瞭な因果関係を示すのに対し, 圃場ではこのような関係が明瞭でないことから, 栽培条件により, スクロース蓄積におけるAIとSPSの働きの重要度に差が生じている可能性が考えられた.これらの結果から, SPS活性がサトウキビのスクロース蓄積制御に関与しているものと考えられた.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 2000-09-01
著者
-
松岡 誠
九州沖縄農業研究センター
-
小林 真
National Grassland Research Institute
-
寺内 方克
国際農林水産業研究センター沖縄支所
-
寺内 方克
九州沖縄農業研究センター
-
中野 寛
北海道農業研究センター
-
小林 真
草地試験場育種部
-
松岡 誠
国際農林水産業研究センター沖縄支所
-
中野 寛
Hokkaido National Agriculture Research Center, Upland Agriculture Research Center
-
寺内 方克
国際農林水産業研究センター
-
中野 寛
Hokkaido National Agriculture Research Center Upland Agriculture Research Center
-
中野 寛
国際農林水産業研セ
-
松岡 誠
国際農林水産業研究セ 沖縄支所
-
寺内 方克
国際農林水産業研究センター沖縄支所:(現)北海道大学大学院農学研究科
-
小林 真
草地試験場
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