サトウキビ防風垣栽培適性の検討
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概要
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耐風性に優れたサトウキビを簡易的防風垣に用いることで, 園芸作物などの品質・収量性を向上させ, 同時にサトウキビからの収入により, 農家経営の安定に貢献できることが期待される.そこで, 簡易防風垣栽培したサトウキビ群落内外に風向・風速計を設置し, 防風垣に利用する場合の防風効果とサトウキビの形態形質の関係を調査し, サトウキビ品種に求められる特性を検討した.また, サトウキビでは, 開発途上国を中心に間作が行われていることから, その南西諸島での適用の可能性についてもあわせて検討した.その結果, 写真による投影法で測定した密閉度が高く, 群落に厚みのある品種で高い減風率が認められた.密閉度は茎数の多い品種で90%を越え, 茎数の少ない品種で防風垣として適当な密閉度が得られた.開張性の品種は, 高い減風率を得られるが, 防風垣の専有面積が大きく, 保護対象作物の面積が小さくなるほか, サトウキビ葉身による保護対象・間作作物への傷害の可能性が考えられる.このため, 開張性の品種は, 防風垣・間作には不適当と考えられた.垂直方向に草冠を形成する品種は, 草高が高いことから減風効果の範囲が広く, 防風垣に適当であると考えられた.側面からも太陽光を得られる防風垣栽培では, 一般的な栽培方法に比べ, 畦長あたりで高い収量が得られた.高度土地利用の視点から, サトウキビ畦間への間作は, しばしば研究課題として取り上げられているが, その実施にあたっては, 間作作物の収穫物価格とサトウキビ価格との関係, 間作作物の栽培コスト, 間作作物に必要とされる技術水準などの点からの慎重な検討が必要である.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 2000-12-01
著者
-
原薗 芳信
アラスカ大学国際北極圏研究所
-
松岡 誠
九州沖縄農業研究センター
-
寺内 方克
国際農林水産業研究センター沖縄支所
-
寺内 方克
九州沖縄農業研究センター
-
原薗 芳信
農業環境技術研究所
-
松岡 誠
国際農林水産業研究センター沖縄支所
-
中野 寛
Hokkaido National Agriculture Research Center, Upland Agriculture Research Center
-
中川 仁
(現)草地試験場
-
中野 寛
(現)北海道農業試験場畑作研究センター
-
寺内 方克
国際農林水産業研究センター
-
中野 寛
Hokkaido National Agriculture Research Center Upland Agriculture Research Center
-
中野 寛
国際農林水産業研セ
-
松岡 誠
国際農林水産業研究セ 沖縄支所
-
寺内 方克
国際農林水産業研究センター沖縄支所:(現)北海道大学大学院農学研究科
-
原薗 芳信
アラスカ大学国際北極圏研究センター
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