サトウキビの早期高糖性と生長およびインベルターゼ活性との関係

概要

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サトウキビの栄養生長と糖蓄積との関係およびインベルターゼ活性と糖蓄積の関係を検討し, 早期高糖性のメカニズムを解明するため, 登熟特性の異なる5品種を春植え栽培し, 栄養生長特性, 糖分含有率およびインベルターゼの活性を調査した.代表的な早期高糖性品種NiF4は, 8月以降にBrix値が上昇し, 茎の伸長が緩慢となった.この結果から, この時期に同化産物の分配に変化が生じ, 栄養生長が減退し, 糖蓄積が増進したものと考えられた.この際にNiF4の酸性インベルターゼ(AI)活性は低下しており, AI活性の低下に伴う栄養生長の減退がスクロース含有率の上昇に寄与している可能性が示された.しかし, 早期高糖性品種で貯蔵スクロースを分解するAI活性が低いことを想定したが, NiF4のAI活性はF172に比べて高く推移し, スクロース含有率の品種差違をAI活性の高さから説明できなかった.一方, 転流スクロースを分解し, 結果としてスクロース蓄積を促進する中性インベルターゼ(NI)活性は, 早期高糖性品種NiF4で高く推移し, 高いNI活性による糖類の流動性が, 間接的にスクロース蓄積を促進していたものと考えられた.本研究の結果では, 早晩熟の品種および生育にともなうインベルターゼ活性の値とスクロース蓄積との明確な関係が認められなかった.このことから, さらにスクロース再合成・蓄積過程に関する酵素活性を追求する必要があることが示唆された.
日本熱帯農業学会の論文
1999-12-01

サトウキビの早期高糖性と生長およびインベルターゼ活性との関係

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