サトウキビワックスの高級アルコール組成の品種間差異

概要

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サトウキビ精糖工場の副生物フィルターケーキより,オタタコサノール(C_<28>H_<57>0H)が回収され食品添加物として利用されている.サトウキビ総合利用の観点から,今後の育種では糖含量だけでなく,副生物の有用成分も検討する必要がある.そこでサトウキビ15品種とソルガム1品種について,茎のワックス層および外皮に含まれるC_22からC_30の高級アルコールについて分析した.ワックス層は多量の高級アルコールを含み,サトウキビ1品種の例外はあるものの,オタタコサノールが最も多く,その含量の品種間差は顕著であった(Table1).またSacharum spertaneumの2品種は,10%をこえるヘキサコサノール(D_<26>H_<53>0H)の含量を示した.Sacharum spertaneumとSerghum bicolorのオタタコサノール含量は低かった.外皮の高級アルコール量はワックス層の1/100以下で,サトウキビ工場のフィルターケーキ巾の高級アルコールの大部分はワックス層由来と考えられた.さらにワックス層のNMRスペクトルは,クロロホルム可溶部の大部分が高級アルコールであることを示した.
日本育種学会の論文
1994-12-01