きのこのビオチン含量とアルコール飲料中への蓄積
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概要
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きのこの子実体,菌糸体とその培養液,きのこを用いて製造されたビール,ワインおよび日本酒中に蓄積されたビオチン関連物質の含量を測定した.試験に用いた市販のきのこ子実体では,マイタケに含まれる場合がもっとも高く,102μg/lOOg新鮮重量のビオチン関連物質であった.菌糸体で含量の高かったのはクモギタケの場合で,39.0μg/100g新鮮重量であった.一方,菌糸体の培養液中にもビオチン関連物質を生成して,マイタケの場合で35μg/Lの蓄積を示した.自然界から分離した野性株W8(マスタケ)は糖化およびアルコール発酵を行うことができるので,マスタケを用いてビール,ワインおよび日本酒を製造し,ビオチン関連物質を調べたところ各々126,73および73μg/Lの蓄積を示し,この量は市販製品より高かった.このビオチン関連物質は,菌糸体やその培養液中のものは主としてデスチオビオチンであったが,子実体の成分はビオチン,デスチオビオチンおよび7,8-ジアミノペラルゴン酸であることがわかった.
- 日本きのこ学会の論文
- 2005-07-25
著者
-
福田 祥子
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
-
松井 徳光
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
-
友田 智美
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
-
野田 裕子
一宮女子短大 生活文化
-
大杉 匡弘
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
-
大杉 匡弘
武庫川女子大(家政)
-
松井(岡村) 徳光
武庫川女子大学 生活環境学部
-
SIWARUNGSON Napa
チュラロンコン大学生化学科
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