中国餅麹(曲)由来の新規黒色系糸状菌の焼酎醸造特性

元データ 2011-01-25

概要

スケールアップした製麹試験で, 標準株のAspergillus awamori RIB 2602(ATCC 14331, NBRC4388)と比較し, 良好な出麹酸生成能および高い酸性カルボキシペプチダーゼ活性を示す黒色系糸状菌KNO16およびKNO18を取得した.Aspergillus nigerに代表される黒色系糸状菌が生成する炭臭様の異臭として知られる2-MIBやgeosminの生成はKNO16およびKNO18では認められなかった.KNO16およびKNO18は, 人工灰を添加した米麹および麦麹ともに10^9個/gの分生子着生能および80%以上の発芽率を示した.また, 本試験条件においてアフラトキシンおよびオクラトキシンの生成は認められなかった.製麹した米麹(800g)を用い, 麦を主原料とした発酵試験を行った結果, KNO16およびKNO18は, 市販黒麹菌と同様に16%以上のアルコール生成が見られ, 墨汁様の異臭がなく, 芳醇な香りを呈した.発酵試験の膠および蒸留原酒の低沸点香気成分分析を行った結果, KNO16およびKNO18の一次醪におけるイソアミルアルコール濃度が, 市販黒麹菌の1.8倍以上の高い値を示した.本研究で得られたKNO16およびKNO18の2菌株は, 出麹酸(クエン酸)生成, 酸性カルボキシペプチダーゼ活性, イソアミルアルコール生成および分生子着生能に優れ, A.nigerなどが生成する2-MIBおよびgeosmin生成のない優良菌株であることが認められた.また, アフラトキシンおよびオクラトキシンの生成もないことが確認された.KNO16およびKNO18は, 原料と酵母との組み合わせを検討することにより, アミノ酸や香気成分の増強が図れ, 酒質向上につながることが示唆され, 従来焼酎醸造に使用される黒麹菌との差別化が図れる黒色系糸状菌である可能性が明らかとなった.

著者

野崎 直樹 雲海酒造株式会社
水光 正仁 宮崎大学農学部応用生物科学科
小川 喜八郎 宮崎大学工学部物質環境化学科
榊原 陽一 宮崎大学農学部応用生物科学科
山本 英樹 宮崎県食品開発センター
Sakakibara Yoichi Interdisciplinary Graduate School Of Agriculture And Engineering Univ. Of Miyazaki
榊原 陽一 Interdisciplinary Graduate School Of Agriculture And Engineering Univ. Of Miyazaki
林 幸男 宮崎大学工学部物質環境化学科
林 幸男 宮崎大学工学部
水光 正仁 宮崎大学 農
水光 正仁 宮崎大学
榊原 陽一 宮崎大・農・応生科
中原 徳昭 雲海酒造株式会社
榊原 陽一 宮崎大学農学部
Saeki Y Department Of Biochemistry The University Of Texas Health Center
Suiko Masahito Biomedical Research Center The University Of Texas Health Center
小川 喜八郎 宮崎大学工学部
Sakakibara Yoichi Department Of Forest Science And Resources College Of Bioresource Sciences Nihon University
水光 正仁 宮崎大学農学部

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