東シナ海における基礎生産(シンポジウム:東シナ海の物質循環-MASFLEXの総括)
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概要
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東シナ海はその面積の70%を占める広大な陸棚を持ち,黄河・長江の2大河川からの大量の栄養塩の供給を受けて生物生産性が高く,大気中の二酸化炭素のシンクとして機能している可能性がある.これを評価する目的で行われたMASFLEX計画において,我々は基礎生産,新生産,および従属栄養者による消費過程の季節的変動を調べた.その結果,陸棚域には黒潮域に比べて,ほぼ3倍の高い生産量があるものの季節および測点により大きく変動することが明らかとなった.基礎生産物はその場で活発にプランクトン群集によって消費され,特に成層期にはしばしば消費が生産を上回り,活発な無機化が進むことが認められた.硝酸同化速度は外洋域に比べて陸棚域で大きい傾向はあったが,全体的には新生産よりも再生生産の寄与が大きく,真光層内の栄養塩の再生・再利用が速やかに進んでいることが明らかになった.
- 日本海洋学会の論文
- 1998-08-25
著者
-
小達 恒夫
情報・システム研究機構国立極地研究所
-
小達 恒夫
国立極地研究所
-
古谷 研
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
濱 健夫
名古屋大学大気水圏科学研究所
-
小達 恒夫
情報・システム研究機構国立極地研究所:総合研究大学院大学複合科学研究科極域科学専攻
-
神田 穣太
静岡大学理学部
-
小達 恒夫
北海道大学水産学部
-
濱 健夫
名古屋大学大気水圏科学研究所:(現)筑波大学生物科学系
-
古谷 研
東京大学大学院
-
古谷 研
三重大学生物資源学部
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