南極リュツォ・ホルム湾昭和基地周辺海域における海氷変動と生物過程の関係(シンポジウム:世界の沿岸海域における環境と生態系の長期変動)
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概要
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リュツォ・ホルム湾昭和基地(南緯69度00分,東経39度35分)周辺における夏季のクロロフィルa濃度の変動と海氷分布を,既存の観測結果を基に比較した.1991/92年夏季には,氷厚が薄い地点(2m)でのみクロロフィルa濃度の大きな上昇が1月中旬に見られ,氷厚が厚い地点(2.5〜2.7m)では上昇の度合いが小さかった.1996/97年夏季には,氷厚が2.1〜3.6mの地点で観測を行ったが,クロロフィルa濃度に地点間の違いは認められず,いずれの地点においても1月下旬にかけて最高濃度となった.1997/98年夏季の観測点(氷厚;2.2〜2.6m)では,12月下旬に1回目の上昇が,1月中旬に2回目の上昇が観測された.定着氷の北限は,1991/92年夏季にはほぼ南緯68度付近にあったが,1996/97年夏季にはほぼ南緯68度45分付近まで南下していた.更に1997/98年夏季には,12月中旬に既に南緯69度付近まで退行していた.氷縁ブルームが起こっている定着氷縁と観測海域の距離が,クロロフィルa濃度の年変動に違いをもたらしていると推察された.
- 日本海洋学会の論文
- 2005-08-26
著者
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