植物プランクトン核内DNA量評価のためのDAPI染色法の改良
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概要
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An improved method for staining DNA in phytoplankton nucleus is proposed. The method is for use in microfluorometry of fluorescence emitted from DNA stained with 4',6-diamidino-2-phenylindole (DAPl). Tris buffer composed of Tris (hydroxymethyl) aminomethane, 2-mercaptoethylamine hydrochloride, NaCl and EDTA-2Na yields low decay of the fluorescence under excitation light and stable intensity of fluorescence for 14 to 30 hours after staining. The low decay and the stability results in low variances in DAPI fluorescence. Suitable concentration of DAPI seems to be variable according to species. The method was applied to a natural population, and confirmed that cohorts were resolved well enough for cell cycle analysis of phytoplankton.DAPI染色による核内DNA量の測定を行うために,最適なDAPI染色法を確立することを目的として,緩衝液,染色時間,DAPI濃度に対する検討を行い,天然植物プランクトン群集への応用を試みた。主要な結果は以下の通りである。1.トリス緩衝液 (20mM Tris hydroxymethyl) aminomethane, 20mM 2- mercaptoethylamine hydrochloride, 100mM NaCl, 10mM EDTA-2Na, pH8.2) を用いることで,励起光下での蛍光の減衰が抑えられることが確認された。2.14時間から30時間の間に測定を行うことで,蛍光強度の経時変化は考慮する必要がなくなった。3.対象とする種によって,DAPI濃度を変える必要がある。4.本研究で得た染色条件によって天然植物プランクトン群集に対して,細胞周期解析を行うことが可能である。
著者
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小達 恒夫
情報・システム研究機構国立極地研究所
-
小達 恒夫
国立極地研究所
-
松本 和彦
海洋科学技術センター海洋観測研究部
-
松本 和彦
三重大学生物資源学部水圏環境学講座
-
古谷 研
三重大学生物資源学部水圏環境学講座
-
古谷 研
三重大学生物資源学部
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