ヒサカキハモグリガ(鱗翅目,ハモグリガ科)の幼生期
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概要
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ヒサカキハモグリガLyonetia euryellaの幼虫はヒサカキ(ツバキ科)の葉に線-斑状潜孔を作り,老熟すると比較的薄く,細長いハンモック状の繭を形成する.ハモグリガ科の幼生期の形態についてはシャリンバイハモグリガL.anthemopa,リンゴハモグリガL.prunifoliellaの研究があるが,分類形質としての幼生期の形態の評価は充分に行われていない.そこで,分類学的研究の基礎資料としてヒサカキハモグリガの幼虫および蛹の形態を調査し,リンゴハモグリガ,シャリンバイハモグリガの幼生期の形態と比較した.その結果,本種の幼虫では,第6個眼が第2個眼と接近している,頭部背面のadfrontal setaeを欠き,A2をもつ,前胸のD2はXD1とD1の間に位置しD1より背面にある,中・後胸のD1は,D2よりの背面に位置する,蛹では,頭部の突起(角状突起)が円錐状で突起の表面に多数の小さい刺をもつ,腹部第10節末端の2叉した突起上に2対の太くて短い刺をもつこと,などの特徴が見られた.これらの形質は,Lyonetia属の種の同定だけではなく,属内の系統を論じるのに役立つと思われる.
- 2004-06-20
著者
-
広渡 俊哉
Entomological laboratory, Graduate School of life & Environmental Sciences, Osaka Prefecture Univers
-
安 能浩
Entomological Laboratory, Graduate School of Life and Environmental Sciences, Osaka Prefecture Unive
-
安 能浩
Invertebrate Research Division National Institute Of Biological Resources Environmental Research Com
-
広渡 俊哉
Entomological Laboratory College Of Agriculture Osaka Prefecture University
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