マレー半島におけるツシマウラボシシジミの発見
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概要
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ツシマウラボシシジミPithecops fulgens DOHERTYは従来アッサム,台湾,対馬の局所的な産地のみから知られていたが,今回新たにマレー半島のキャメロンハイランズにおいて,1978年4月23日,五十嵐邁氏により1♂(Fig.1,A,B,Fig.2,A-E)が採集されていたことが明らかになったので報告する.本種はアッサム,台湾,対馬産でそれぞれ別亜種(fulgens, urai, tsushimanus)として扱われているが,マレー半島産のものを新亜種とするかどうかという問題に関しては今後さらに多くの個体が得られてから検討したい.また,Pithecops属の中で本種と同様,翅表に濃紫色の斑紋を有するものにP.mariae DE NICEVILLEがあるが,mariaeの雄交尾器はこれまで図示されたことがないので参考のために付した(Fig.1,C,D,Fig.2,F-K).マレー半島における本種の発見は,本種の特異な分布成立過程を考察する上で非常に興味深いと思われる.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1986-12-20
著者
-
広渡 俊哉
Entomological laboratory, Graduate School of life & Environmental Sciences, Osaka Prefecture Univers
-
広渡 俊哉
大阪府立大学大学院
-
白水 隆
Kitakyushu Museum Of Natural History
-
上田 恭一郎
北九自博
-
上田 恭一郎
Kitakyushu Museum of Natural History
-
広渡 俊哉
Entomological Laboratory College Of Agriculture Osaka Prefecture University
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