山形県産チョウセンアカシジミの1新亜種
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概要
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1960年8月に山形県新庄市萩野中学校教官の大類貞雄氏より同定確認のため同氏が山形県新庄市昭和において発見採集されたチョウセンアカシジミの送付を受けた.本種は従来岩手県以外からは未発見であり,山形県下からは最初の発見となるものであったので,同定に慎重を期して送付されたものであったが,私は送られた標木を見て♂の後翅表が異常に黒化していることに驚いた.早速同氏にこのことを連絡し,さらに若干の追加標本の送付を受けたが,♂ はすペてこの特徴を具え,また同氏の手許にあるものも全部同様であるとの通知をえたので,これが岩手県産のものと異る別の新亜種であるとの確信を得た。しかし標本はその採集された時期がすでに同地における本種の発生期の後期にあたっていたらしく,すペてかなり飛び古したものであったので,新鮮な飼育標本によってその特徴を確認すペく同氏に採卵をお願いし,1961年の春に福岡市において河原畑勇氏の協力を得て卵よりの飼育を行い,多数の標本を羽化させて♂後翅表黒化の特徴は同地産の集団のよく安定した形質であることを充分に確認出来た.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1962-01-30
著者
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