算数困難児における数処理の自動化に関する研究 : 数ストループ課題における干渉効果を指標とした検討

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概要

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本研究の目的は、算数困難児の数処理の困難について明らかにすることであった。算数困難児は、数を含む課題で特異的な困難があるといわれるが、数処理速度に焦点を当てた研究は少ない。本研究では、数処理の自動化、数処理の発達ならびにその困難について、数ストループ課題を用いて検討した。算数困難児の結果から、発達に伴う数処理速度の短縮ならびに、知覚判断と数値判断の課題間の反応時間差に短縮が認められた。しかし、課題間の反応時間差は、同年齢の児童より大きなものであった。効果率の分析から、算数困難児では、ニュートラル条件・不一致条件と比較し、一致条件の反応が特に有利であることが示された。知覚サイズの処理が早期に自動化しており、算数困難児の数値判断速度が知覚判断と比較して遅いため、一致条件で大きな促進効果が認められたと推測される。これらの結果は、算数困難児に数処理の特異的な困難がある可能性を示唆するものであった。
2008-03-25

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