自閉症者の空間的注意 : 弁別課題を伴うギャップ-オーバーラップ課題による検討
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概要
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視野の中心に提示される刺激図形に続いて周辺視野に提示される刺激図形に対するサッカード眼球運動反応時間を計測し、自閉症者の空間的注意の特徴を検討した。周辺刺激提示の200ms前に中心刺激が消失するギャップ条件と中心刺激が提示されたままで周辺刺激が提示されるオーバーラップ条件を設定し、特定の刺激図形に対するボタン押しを求めた。対象者は自閉症者16名、知的障害者17名、健常者14名であった。自閉症者においても、オーバーラップ条件では潜時の短いサッカードが抑制されたことから、刺激弁別を求めることで中心刺激への注意の焦点化が可能になることが示された。また、自閉症者の平均反応時間はオーバーラップ条件でのみ健常者に比べ有意に長かったことから、注意を向けた対象が消えないと注意解放が困難になることが示唆された。しかしながら、注意解放の困難さは自閉症者のみの特徴であるというにはさらなる検討を要する。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2005-01-31
著者
-
川久保 友紀
東京大学医学系研究科
-
前川 久男
筑波大学
-
前川 久男
筑波大学心身障害学系
-
前川 久男
Graduate School Of Comprehensive Human Science University Of Tsukuba
-
川久保 友紀
東京大学大学院医学系研究科精神医学
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