就学後に学習のつまずきが予想される幼児に対するCOGENTプログラムを用いた指導の効果
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概要
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小学校就学後に学習のつまずきが予想された年長幼児2名を対象に、読みをはじめとする学習にかかわる認知能力を促進させ、学習への構えを形成することを目的とし、COGENTプログラムをペア学習の形態で実施した。その結果、いずれの児も、ひらがな単文字読み、読みの基礎的能力、PASSにおける継次処理の得点が上昇した。このことから、COGENTプログラムを介した指導が読みの基礎的能力の向上や、認知処理過程を調えることに寄与したものと推察された。これは、読みをはじめとする学習困難のリスク児にとって、本プログラムを用いた指導が有効であることを示すものと考えられた。加えて、本研究ではペア学習で指導を実施し、各児がお互いを意識しながら、相手から課題を遂行するための手がかりを見つけたり、モデルにする様子が見られた。また、自発的に問題を出し合う様子も見られ、対象児間の相互作用も学習を促進した要因の1つとして考えられた。
- 障害科学学会の論文
- 2013-03-29
著者
-
岡崎 慎治
筑波大学大学院人間総合科学研究科
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前川 久男
筑波大学人間総合科学研究科
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岡崎 慎治
Graduate School Of Comprehensive Human Science University Of Tsukuba
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室谷 直子
筑波大学障害科学系
-
青木 真純
筑波大学大学院人間総合科学研究科
-
青木 真純
筑波大学
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岡崎 慎治
筑波大学人間系
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室谷 直子
常磐短期大学幼児教育保育学科
-
増南 太志
川口短期大学こども学科
-
松沢 晴美
茨城県立鹿島特別支援学校
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高野 知里
筑波大学大学院人間総合科学研究科
-
前川 久男
筑波大学人間系
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