巡回相談サポートシステム「子ども発達相談ブログ」の提案と評価 : 発達相談記録の活用を目指して

概要

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近年、保育所・幼稚園などの幼児教育分野では、知的発達に遅れはないものの、保育に困難を伴う「気になる子」の問題がクローズアップされている。気になる子の保育には、医学・心理学などの専門知識が必要となるが、現場の保育者がそれらを十分に備えているとは言えない。この状況を解決するため、専門知識を持つ相談員が定期的に園を回り、子どもの様子を分析し、発達を支援する巡回相談が開始された。しかし予算・要員数の限界から、現実には、十分な回数の巡回相談は行われていない。その結果、一定期間の内に同じ園を相談員が何度も訪問することは難しく、巡回相談は単発的となって継続的な相談は行われていない。この問題を解決するため、本論文では、巡回相談をサポートする「子ども発達相談ブログ」を提案する。本システムではインターネットを用いて巡回相談内容を共有でき、巡回相談後も引き続き継続的に保育者と相談員が情報交換できる。結果として、訪問のみの場合と比べて継続的かつタイムリーな相談が可能となり、相談回数を増やしたのと同等の状況に近づけることができる。大阪府内の保育所でプロトタイプシステムによる社会実験を行ったところ、相談員との情報交換の回数が増え、相談員からのアドバイスをすぐに保育に活かせ、園内で相談内容を共有することで職員相互の共通理解が深まったなど、システムの有効性を確認できた。
同志社大学の論文

巡回相談サポートシステム「子ども発達相談ブログ」の提案と評価 : 発達相談記録の活用を目指して

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