新投稿論文管理システム : その夢と現実

概要

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電子情報通信学会への投稿論文数は約3, 400本/年に達している.従来, こらら投稿論文に関する査読等の進ちょく管理は, 和文論文については学会事務局(以下, 事務局)が, 英文論文については, 英文編集委員会が担ってきた.この管理のため, 事務局は, 1986年より, PCベースの市販DB管理ツールによる「査読システム」を開発・導入していた.しかし, このシステムの処理能力は限界に達していた.加えて, 要員的にも, 英文論文を事務局で引き受け得る状況にはなかった.そこで, 本学会では, 1997年より新しい投稿論文管理システム(新システム)の開発に着手し, 1998年9月からは和文論文を, 1999年4月からは英文論文を, 新システムにより受け付けている.新システムでは, 一般会員がWebにより自分の論文の査読状況を確認できる.また, 各編集委員は, 最新の論文データをインターネット経由で参照でき, ソサイエティ横断の査読委員情報の一括管理, 及び, 電子メールによる査読委員督促・編集委員督促等を実現している.本システムにより, 事務局は, 英文論文(現状は一般投稿のみ)により増加した事務量を, ほぼ同等の要員で対処している.その意味では, 開発は所期の目標を果たした.ただし, 事務局の真のねらいは, 「写植機並の高品位印刷された論文」を「カメラレディ印刷と同一のリードタイムで出版」する, 学会の競争優位のための差別化戦略にある.現状では, その目的は果たしていない.当初目標とした, 査読日数の短縮への期待は1998年和文論文受付分を見る限り, 完璧に裏切られた.業務効率化ツールを競っても, 編集委員・査読委員の意識改革がない限り, 経営的な目標を達成できない.このことをシステムは明快に問題提起している.
2000-02-25

新投稿論文管理システム : その夢と現実

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