中国黒龍江省のナトリューム系アルカリ土壌(ソロネッツ、〓土)の改良 : 土壌調査および生育調査(2005)

概要

論文の詳細を見る
中国黒龍江省および吉林省に広がるナトリューム系アルカリ土壌[sodium soil, alkali soil, solonetz(英語)、〓土(中国語)]の改良を目的とする。2003年5月に4段式心土混層プラウによって大形試験圃場(60cmの深耕)が作られた(plough区)。ここには堆肥がA層に混入された。対照区としてサブソイラによる大形試験区が同時につくられた(subsoiler区)。本年は施工後2年目になる。これとは別に2004年7月に4種類のplot試験圃場を設置した。ここは施工後、第1年目である。本年(2005年7月)、これらの圃場の調査を行った。主な結果として、大形試験区では4段式心土混層プラクで処理されたplough区に、名〓草(多年草、別名羊草)および水稗草(一年草、稗)が繁っていた。これに対しsubsoiler区は、サブソイラが通った所のみ水稗草が生えていた。サブソイラとサブソイラの間は全く草が生えていなかった。plough区のpHが他の区に比べて下がった。しかしまだ約9であった。subsoiler区ではサブソイラの通過跡で地表のpHが9.44で減少が見られた。サブソイラの間の区は9.6以上であった。plough区のEC値は全層にわたって大きく下がった。特に表層のEC値は0.917mmScm^<-1>で大きく減少した。subsoiler区はサブソイラの通過跡で表層のEC値が減少した。草の繁っているplough区は全層にわたって圧倒的に水分が高く、地表では37%d.b.であった。サブソイラの間の区は地表は全く乾燥していた。plot試験区では表土堆肥区のみが植生が良く、他の区は植生がほとんど見られなかった。2004年に播種した中国アルファルファ、披〓草、アメリカアルファルファは見られず野生種が生育していた。この結果、心土より表土を重要視して改良する必要がある。すなわち一年で植生を回復することが先決である。表土堆肥区の0cmと15cmの深さのpHが他の区に比べて約1.0下がった。その他の区は、すべてpH約9.7の極めて強いアルカリであった。表土堆肥区の0cmと15cmの深さのEC値が他の区に比べて約0.7mmScm^<-1>下がった。その他の区は、すべて約1.2mmScm^<-1>であった。表土堆肥区の0cmと15cmの深さの土壌水分が42.8%d.b.で他の区に比べて高かった。
2005-12-30

中国黒龍江省のナトリューム系アルカリ土壌(ソロネッツ、〓土)の改良 : 土壌調査および生育調査(2005)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク