アルカリ土壌の改良(第3報) : アルカリ土壌の物理、化学的特性

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本報では、アルカリ土壌の新しい根本的な改良方法として、心土であるBca層またはB層の下に粗粒層を設置して、地下水の毛管上昇を遮断することを考えた。これにより塩類の上昇は押さえられるし、かつ表土にすでに蓄積されている塩類は、夏の降雨によって下層へ洗い流されると考えられる。本報では、まず中国に存在する2種類のアルカリ土壌の物理的、化学的特性を調べた。主な結果として、河北省、尚義のカルシューム系アルカリ土壌(ソロンチャク、Solonchak)の表土であるAp層の組成は粘土であり、心土のBca層、C層は、さらに細く、両者とも重粘土であった。黒龍江省、大慶のナトリューム系アルカリ土壌(ソロネッツ、Solonetz)の最上層のAna層は、砂質ロームであった。表土であるA層の組成は粘土であった。心土であるB層、C層は重粘土であった。河北省、尚義のソロンチャクの表土であるAp層および心土のBca層では、pH値、マグネシュームの含有量、マグネシューム/カリ比、カリ含有量のすべてが適正値より高すぎる。リン酸は欠乏している。C層では、すべての因子が上限値を超えている。Bca層はCaCO_3の堆積層(約18%)であり、カルシュームが過剰である。かつリン酸が欠乏している。C層のCaCO_3の量はBca層ほどでない(約8%)。かつリン酸を充分含んでいる。したがって、Bca層とC層を地中で混合することは、この2因子の化学的特性を改良するに効果がある。Ap層にBca層またはC層が混合してはならない。CaCO_3がAp層へ混合するとAp層のpH値がさらに上昇する。Ap層のリン酸欠乏は化学肥料の供給によって、改良されるべきである。黒龍江省、大慶のソロネッツのすべての層でpH値が高すぎる(10以上)。この対策は別途に考えなければならない。すべての層でリン酸が欠乏している。これは化学肥料の供給によって改良すべきである。マグネシューム、およびカリウムはどの層も過剰である。しかしマグネシューム/カリ比はどの層も適正値である。表土であるA層は約17mg(100g)^<-1>の窒素を含んでおり、地力のある土壌である。したがって、pH値を下げることと、リン酸を供給することが出来れば、優れた作土になると考えられる。
2004-12-30

アルカリ土壌の改良(第3報) : アルカリ土壌の物理、化学的特性

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