アルカリ土壌の改良(第4報) : アルカリ土壌の熱伝達率および熱伝導率

概要

論文の詳細を見る
夏にある程度の雨が降る地帯のアルカリ土壌の新しい改良方法として、心土を焼結することによって土壌を粗粒化して、地下水の毛管上昇を遮断することを考えた。これにより地下水に溶けている塩類が毛管現象によって地表へ上昇することが押さえられるし、地表からの水の蒸発を防ぐことができると考えられる。かつ、表土にすでに蓄積されている塩類は、夏の降雨によって下層へ洗い流されると考えられる(leaching)。本報では、土壌焼結の基礎データを得るために、焼結するときの温度である850〜950℃のアルカリ土壌の熱物性値である熱伝達率と熱伝導率を測定した。今後、この値を基にして、実際に土壌を焼結する装置の設計、製作を行う。主な結果として、鋼表面への熱伝達率は表面温度が約280〜320℃の範囲で、約40 Wm^<-2>K^<-1>であった。供試土壌表面への熱伝達率は表面温度が約700〜1000℃の範囲で、どの土壌も同じ値となり、約60 Wm^<-2>K^<-1>となった。日本の擬似グライ土の熱伝導率は固相率が0.38以下では約0.1 Wm^<-1>K^<-1>であり、固相率が0.38以上では約0.3 Wm^<-1>K^<-1>(温度約900℃、含水比0%d.b.)となった。中国のソロンチャクおよびソロネッツの熱伝導率は、どの層も0.1-0.3 Wm^<-1>K^<-1>(温度約900℃、含水比0%d.b.)になった。表層の土壌の熱伝導率は固相率が上がっても、増加しなかった。これは表層が塩類を多く含みこれが熱伝導率を減少させる効果と考えられる。
専修大学北海道短期大学の論文

アルカリ土壌の改良(第4報) : アルカリ土壌の熱伝達率および熱伝導率

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク