中国河北省のカルシューム系アルカリ土壌(白干土、ソロンチャク、塩土)の改良 : 尚義県農業の概要(2007)

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河北省に設置された4段式心土混層プラウによる大形試験圃場は、尚義県大営盤郷4号地村にある。土壌改良の経済的効果を考察するためには、当面は、試験圃場のデータの解析になるが、最終的には、地域全体の考察が必要になってくる。そのために、本稿では、尚義県の農業の概況、さらに、試験圃場のある大営盤郷4号地村の農業の概要を素描する。尚義県の農作物栽培は、経済作物(野菜、亜麻がともに20%)、糧食作物(馬鈴薯21.3%、燕麦13.3%)から構成されている。馬鈴薯、亜麻などの以前からの農作物の中に、野菜が急速に普及してきたという状況にある。野菜は、セロリ、ブロッコリ、ポールレタス、白菜が中心であり、北京、天津などの大都市だけでなく、日本、韓国へも輸出されている。野菜農家は、ほとんどが地下水を利用した灌漑施設を保有している。大営盤郷4号地村の農家戸数は85戸、人口約300人、農地面積330ha(うち可耕地130ha、放牧地200ha)、農民1人当りの請負耕地面積4畝となっている。村には何台かの農業機械があるが、多くの農家は依然として牛を利用している。村の農作物は小麦、亜麻、馬鈴薯、セロリが中心で、尚義県全体と同じである。村の30%の農家が野菜を栽培し、灌漑施設を保有している。家畜は、平均で牛1.5頭、豚1頭、羊6〜7頭持っている。牛と豚は1年間飼育して販売、羊はまつりの際に食することがあるが、後は半年飼育で販売する。村にはアルカリ土壌の裸地があり、村の農地は耕作限界地である。土壌改良ができれば、収量も上がるだろうし、耕作地も増加する。土壌改良の成果が放牧地までだとしても地域にとって大変重要な意味を持つことになる。次の課題は、白干土の影響による収穫量減少の実態把握である。

中国河北省のカルシューム系アルカリ土壌(白干土、ソロンチャク、塩土)の改良 : 尚義県農業の概要(2007)

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