白干土の改良 : 土壌の通気性と土壌破壊の様相
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概要
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中国の河北省と内蒙古自治区は年間降水量がわずか300〜400 mmである。さらに降水が一様でなく70%が7〜8月の夏に降る。冬と春はほとんど雨が降らない。この地帯の土壌は白干土と言われ、非常に硬く、不透水層を形成している。このため土壌は、この雨水を吸収できず大部分が表面水として流出してしまう。夏に生じた過剰表面水を、この不透水層を利用して、白干土の地下に保持しておくことを構想した。このため、高圧空気で地下水層を人工的に作ることを試みた。この地下水層の水は、春の早ばつ期に毛管水として、牧草に利用される。人工の地下(ダム)をつくるには水平の土壌空洞を地下につくる必要がある。そこで本報では、まず種々の土壌の通気係数を測定し、通気係数がどのような値の時に水平の空洞が生じて土壌が破壊するかを明らかにした。主な結果として、通気係数k_aの値が5 kg/smMPaのとき、高圧空気圧送によって土壌が流動現象で壊れるかV型に壊れるかの境界である。通気係数k_aの値が5〜0.2 kg/smMPaの値の時、空気圧送によって土壌はV型の破壊が起った。0.2 kg/smMPa以下では水平空洞の形成が起った。0.2 kg/smMPaの値は、この境界値と考えられる。本報の目的である白干土のBca層またはC層に空気圧送によって、水平の空洞を形成しようとする時、k_a値が0.2 kg/smMPa以下になるためには、両層とも土壌水分が25% d.b.以上である必要がある。
- 2003-12-30
著者
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