系統豚肉と三元交雑種豚肉の遊離アミノ酸, カルノシンおよび5′-イノシン酸含量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
系統豚「サツマ」(SB)と三元交雑種豚(BL・W)を用い, 低エネルギー飼料ならびに高エネルギー飼料を給与し, 飼育した場合の豚肉(Longissimus dorsiとBiceps femoris)中の遊離アミノ酸, カルノシンおよび5'-イノシン酸含量を測定した.1.豚肉中の遊離アミノ酸およびカルノシン含量中, カルノシンが極度に多く, ついでタウリン, アラニン, スレオニン, グリシン, グルタミン酸が多く, これらの成分含量は品種間, 雌雄間, 飼料区間には有意な差はなかった.しかしタウリン, グルタミン酸, グリシン, アラニンの各平均値は高エネルギー飼料区が低エネルギー飼料区よりやや多い傾向が認められた.2.供試豚肉全部において, 呈味良好なアミノ酸(タウリン, アスパラギン酸, スレオニン, セリン, グルタミン酸, グリシン, アラニン)の総量は苦味アミノ酸(アルギニン, プロリン, バリン, メチオニン, イソロイシン, ロイシン, フェニルアラニン)の総量より著しく多く, とくにもも肉では5倍以上であった.さらにもも肉の呈味良好なアミノ酸の総量はロース中の量より著しく多いことが再確認された.とくにタウリン含量は約2倍であり, スレオニン, セリン, グルタミン酸, グリシン, アラニンもロースよりもも肉に多かった.カルノシン含量は逆にロースの方が多かった.苦味性アミノ酸含量はもも肉がロースよりわずかに多かった.3.5'-イノシン酸含量には品種間, 雌雄間, 飼料のちがいによる相違は認められなかった.しかしSBの雌以外ではロース中の含量がもも肉中のものより多い傾向がみられた.
- 鹿児島大学の論文
- 1986-03-15
著者
関連論文
- アヒル,ウズラ卵白のオボムコイド様グロブリンおよび蛙白のプロテア-ゼ阻害 (タンパク質および多糖の諸環境下における挙動(創立50周年記念支部シンポジウム要旨))
- 海亀卵白の蛋白質に関する研究 : (第3報)卵白中のプロテイナーゼインヒビターについて
- 綿実粕あるいはカポック粕添加飼料で生ずるニワトリおよびウズラの異常卵黄の化学組成
- ブロイラー頭部の食品としての利用性について
- 煙草葉のHydroxylamine ReductaseとCatalaseについて
- 家禽類と海亀の卵黄の一般成分およびアミノ酸について
- 食肉の風味成分に関する研究 : 第3報 生肉中の中, 酸性揮発性成分について
- 薩摩鶏交雑ブロイラーに関する研究 : 第5報 後肢筋の筋脂質構成について
- 薩摩鶏交雑ブロイラーに関する研究 : 第4報 胸筋の筋脂質構成について
- 鹿児島バークシャー種豚の胸最長筋筋線維に関する組織化学的研究
- 屠殺体重の異なる豚の筋肉の遊離アミノ酸, イノシン酸および乳酸含量について
- 豚肉に含まれる遊離糖量の品種による差異について
- 桑葉の利用係数について
- 初冬期における沖繩桑の化学的特異性
- 過マンガン酸加里による絹フイブロインの酸化生成物に関する研究
- 桑葉の加里含量とその呼吸及びカタラーゼ作用との関係について
- アミノ酸及び類似構造物質の酸化よりみたる絹Fibroinの酸化
- 「ソープレス・ソープ」による生絲の精練について
- 加里施用量を異にしたバイラス罹病煙草の加里含量について
- ウズラ卵黄のリパーゼに関する研究 : 一般性質および部分精製について
- 薩摩鶏交雑種の胸肉およびもも肉の遊離アミノ酸, カルノシンおよび5'-イノシン酸含量
- 豚肉の官能検査による嗜好評価およびその検査方法の検討
- 鹿児島バ-クシャ-の嗜好性に関する研究
- 系統豚および系統間雑種豚のロース, もも肉の遊離アミノ酸, カルノシン含量
- 系統豚肉と三元交雑種豚肉の遊離アミノ酸, カルノシンおよび5′-イノシン酸含量
- 甘藷粉末含有飼料で飼育された数品種の豚のロース, もも肉の5'-イノシン酸, 5'-グアニル酸および乳酸含量
- 甘藷粉末含有飼料で飼育された数品種の豚のロース, もも肉の遊離アミノ酸およびカルノシン含量
- B-19ふ化過程中の鶏卵からのproteinaseの分離と, そのovoinhibitorとの相互作用(一般講演)(支部講演会ならびにシンポジウム報告)
- 海亀卵白の蛋白質に関する研究 : (第2報) 新タイプの蛋白質"ST-オボアルブミン"の化学的性質および組成について
- 海亀卵白の蛋白質に関する研究 : (第1報) とくに電気泳動, 塩濃度勾配抽出およびCM-セルロースカラムクロマトグラフィー
- 鶏頭部と鶏骨部の混合物の一般成分およびアミノ酸について
- 豚の飼料と脂肪組成に関する研究 : とくに脂肪の化学的特性について
- 家蚕テグスの化学的研究
- 絹フイブロインの酸化剤による崩壊に関する研究
- 油脂の加水分解に関する研究 : (第2報)有機溶媒系における蛹油の鹸化速度について
- 油脂の加水分解に関する研究 : (第1報)蛹油のトヰツチエル氏分解に対する酸型イオン交換樹脂の試用