家蚕テグスの化学的研究
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概要
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家蚕絹糸腺から5令時テグスを作製, 精練してその強力, 伸度, 溶液粘度, 全窒素, アミノ態窒素並びにチロシン含量を測定した.(1)平均繊度および単糸の絶対強力は5令の日数経過に伴い増大するが単位強力(g/d)は逆の傾向を示す.(2)Cu-En溶液へのテグスの溶解分散には約40分から70分を要するが著者は繭層フィブロインと同様なCu-En易溶形態に変える方法を見出した.テグス・フィブロインのCu-En溶液の粘度およびその経時低下度は5令の各期日に作製したテグスについては全く同一である.従つて荻原の見解とは異なり, テグスの強力, 伸度の変化はフィブロイン分子の重合度の差によるのではなく牽引による分子配列の相異に基因すると推定した.(3)テグス中の全窒素, アミノ態窒素並びにチロシン含量はそれぞれ5令期を通じて同じである.絹糸腺乾物の全窒素量も同様であるがチロシン含量は漸増する.さらにテグス・フィブロイン, 繭層部位別フィブロイン, 繰糸生糸のフィブロインにおいてもチロシン含量は同一である.(4)テグスをCu-En処理を行ない内外層のチロシン量を測定したところ変化は認められない.これらの結果から奥らの推定とは異なり, テグス内外層のpolypeptide連鎖中のチロシン残基量は同一であることが認められた.
- 鹿児島大学の論文
- 1963-03-25
著者
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福永 隆生
畜産化学研究室
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古賀 克也
畜産化学研究室
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古賀 克也
Laboratory of Animal Biochemistry
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福永 隆生
Laboratory of Animal Biochemistry
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