初冬期における沖繩桑の化学的特異性
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概要
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鹿児島県南部における初冬期の沖繩桑について硬軟係数, 利用係数及び化学的組成の調査を行つた.その結果は次の通りである.(1)硬軟係数からみて沖繩桑では11月, 12月の下旬においても適葉が得られる.この時期には魯桑, 一の瀬などの他品種では着葉はみられるが硬軟係数からみれば適葉はほとんど得られない.植付当年の魯桑, 一の瀬, 国桑21号のごとき他品種では硬軟係数からみて11月下旬においては古株よりも適葉が得られ易いことを知りうる.しかし沖繩桑には及ばない.(2)沖繩桑の硬軟係数は年度による相違は余りみられないが利用係数はその変動が甚しい.これは生葉重の変動が甚しいことに由来するものである.従つて量質両面を包含する利用係数値によれば沖繩桑と云えども年によつては利用価値の低いものがある.(3)12月下旬の着葉の化学的組成は還元糖及びペクチンを除けば他品種の春秋の飼育時期のものと大差はない.還元糖が著しく多くペクチンが少ないことが特長とみられる.上記の結果から初冬期の桑として沖繩桑の利用は最も妥当なことと考えられるが系統の不均一性, 萎縮病に対する耐病性のないことなどから今後の育成が必要である.
- 鹿児島大学の論文
著者
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福永 隆生
畜産化学研究室
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古賀 克也
畜産化学研究室
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古賀 克也
Laboratory of Animal Biochemistry
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福永 隆生
Laboratory of Animal Biochemistry
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阿久根 了
Laboratory of Sericultural Chemistry
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