亜熱帯果実の品質に関する研究 : III.スモモ, 花螺李(カラリ)のアントシアン色素
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概要
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1.スモモ果実, 品種カラリ(花螺李)のアントシアン含量は, 果実が成熟するにつれて増加, とくに果皮部で著しい増加を示した.過熟果皮部においては約140mg%にのぼり, 他のスモモ品種の数倍の量に当る.2.多孔性重合樹脂(HP-20)カラムでアントシアン色素を分離, さらにTLCかきとり法で分離, 精製, 吸収スペクトルの諸性質, 加水分解によるアグリコンとガスクロマトグラフィによる糖の同定, 部分的加水分解等を行った結果, カラリのアントシアンはシアニジン-3-モノグルコシド(クリサンテミン)とシアニジン-3-ラムノグルコシド(ケラシアニン)が主成分であることを同定した.また, 両アントシアンの構成割合は1.2 : 1であることが判明した.3.市販天然赤色色素との色価比較, 紫外線照射テスト, 一定pHにおける加熱による安定性等の結果, カラリ色素は比較的安定であり, 天然赤色色素としての利用の可能性が考えられる.
- 鹿児島大学の論文
- 1982-03-19
著者
-
松尾 友明
Faculty Of Agriculture Kagoshima University
-
松尾 友明
青果保蔵学研究室
-
伊藤 三郎
青果保蔵学研究室
-
伊藤 三郎
鹿児島大・農・園芸
-
野口 法子
熊本県果樹試験場
-
児玉 勝子
青果保蔵学研究室
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