カキ葉, ガク, 幼果に含まれるポリフエノールの経時的変化
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概要
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カキタンニン(プロアントシアニジン ポリマー)の代謝に関する知見を得るために, カキの各器官(葉・ガク・果実)に含まれているポリフェノールの量的, 質的変化を経時的に調べた.1.4月初期の展葉期から葉に含まれている総ポリフェノール量は増加し始め, 開花前後に急激に増加し最高値に達した(新鮮重当り0.97-1.44%).この時期では新梢の先端部の葉が高いポリフェノール含量を有していた.その後は, 逆に激減して, 7月, 8月に採取した葉には約5分の1から4分の1しか含まれていなかった.同様に, プロアントシアニジン量を調べたところよく似た変化が明確に観察された.これらの変化は若い葉ほど顕著に観察された.2.ガクには若い葉に匹敵するほどの高い総ポリフェノール量およびプロアントシアニジン量を含有し, その季節的な変動も葉のそれに似ていた.3.果実中のポリフェノール量の増加は葉とガクの増加にやや遅れて始まった.4.TLC分析の結果から, 4,5,6月に採取した葉の酢酸エチル可溶分画にはカテキン様, ガロカテキン様物質と単純フェノールの配糖体様物質が認められた.それらの時期別による質的変化は観察されなかった.ガクでは, それらに加えて没食子酸が検出された.果実では微量の没食子酸のみが検出された.5.5月, 6月の第4葉は1.1%〜1.7%の高いアスコルビン酸含量を有していた.これらの結果からカキ植物体でのポリフェノールの, 特にプロアントシアニジンの代謝について考察した.
- 鹿児島大学の論文
- 1981-03-19
著者
-
松尾 友明
Faculty Of Agriculture Kagoshima University
-
松尾 友明
青果保蔵学研究室
-
伊藤 三郎
青果保蔵学研究室
-
伊藤 三郎
鹿児島大・農・園芸
-
川添 裕子
宮崎県小林市立小林中学校
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