ポンカン果実の成熟に対するエスレル(2-Chloroethylphosphonic acid)処理の影響
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概要
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ポンカン(Citrus reticulata Blanco)にエスレル(2-Chloroethylphosphonic acid)散布を行ない, 2週間ごとに採収してポンカン果実の成熟に及ぼすエスレルの影響を物理的, 化学的に測定した.1.エスレル100ppmと200ppmの散布は果実の着色を促進した.貯蔵果実においても同じ傾向がみられ, L, a, b値の増加が促進されたが, a値は貯蔵中も増加を続けた.その効果は10℃貯蔵よりも常温貯蔵の方が大きかった.2.エスレル処理により果実が肥大促進されるとともに平均個体重の増加が認められ, 個体当り5〜10gの増加を期待できることを見いだした.3.果肉率はエスレル処理により減少した.すなわち果皮の肥大割合が果肉より大きいことが明らかになった.搾汁率は散布後2週間でエスレル処理区の方が高かったが, 以後次第に減少し, 対照区より低くなった.遊離酸と全酸はエスレル濃度に関係なく減少し, それに伴ってpHは増加した.4.ブリックスはエスレルが100ppmの低濃度の場合に増加し(0.5〜1.0度), 反対に200ppmに濃度が高くなるとわずかな減少が認められた.糖組成の測定結果, 各糖が相対的に変化したが, ショ糖の変化が他に比べて大きいため, 全糖が減少した場合は還元糖の割合が増加した.5.全窒素は果皮で後期に増加し, 果肉では減少した.タンパク質分布は処理区の方が早く変化し, 成熟促進作用を示していた.
- 鹿児島大学の論文
- 1980-03-19
著者
-
橋永 文男
鹿児島大学農学部
-
橋永 文男
青果保蔵学研究室
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伊藤 三郎
青果保蔵学研究室
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西 保則
青果保蔵学研究室
-
大和 文明
青果保蔵学研究室
-
伊藤 三郎
鹿児島大
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西 保則
鹿児島大農
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大和 文明
青果保蔵学研究室:(現)ラサール学園
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