パッションフルーツ (Passiflora edulis Sims) 果汁中のプロテアーゼ
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
紫色系パッションフルーツ (果物時計草) 果汁中のタンパク分解酵素の存在を明らかにし, それら酵素の諸性質について研究した.1. パッションフルーツ果汁中にカゼイン基質として最適pH 2.3と5.7の2種のタンパク分解酵素が存在していることを見い出し, それぞれPFP-I (passion fruitprotease-I), PFP-IIとした.2. PFP-Iの最適温度は40°C, PFP-IIのそれは50°Cであった. 温度安定性に関してはPFP-Iが70°Cで完全に失活したのに対して, PFP-IIは60°Cでほとんど失活し, PFP-Iよりも熱に不安定であった. またpH安定性は両酵素ともpH 2〜4で比較的安定であった. pH6のクエン酸ナトリウム中ではPFP-IIが凍結3日目で失活したが, 両酵素とも5°Cの保存が適当であった.3. 両酵素に対する種々の試薬の影響を検討した結果, 重金属類ではPFP-IがFe++, Co++, Pb++, Ag+, Zn++, Hg++により, またPFP-IIはCo++, Pb++, Ag+, Ca++, Cd++で阻害された. 反対にPFP-IはMn++, Sn++, Cd++により, PFP-IIはFe++, Cu++, Mn++, Zn++ により多少活性化された.4. PFP-Iは酸性領域で最適pHを有し, PCMB, PMSF, EDTAなどの各種の阻害剤によって影響を受けなかったが, PFP-IIはSH試薬のみで阻害され, システインで活性化されたので, PFP-Iは酸性プロテアーゼ, PFP-IIはSHプロテアーゼと推定される.5. 果実の成熟に伴って果汁量が増加し, 遊離酸が減少するとともにPFP-IとPFP-IIの酵素の比活性と全活性がともに顕著に増加した.
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- 緑色ユズ果実の貯蔵に対する高圧電場処理の効果
- 大豆油の酸化安定性に対する高圧電場処理の影響
- 金属イオンが白色花の花色に与える色変化について
- 養液栽培条件下でのモリブデンによるトルコギキョウの花色の青色化
- モリブデンイオンによるアントシアニンを含む花類の青色化について
- ブンタン果実 (Citrus grandis Osbeck) に存在するリモノイド配糖体合成活性
- ブンタン果皮煮沸液中の苦味成分の回収
- ポストハーベストテクノロジーに期待する
- 塩類ストレス下におけるダイズ植物体中のリンとナトリウムの分布
- 野菜種子の発芽および初期生長に対する高圧電場処理の影響
- 早生温州ミカン果実ペルオキシダーゼのクロロフィル分解時におけるフラボノイド酸化の関与について
- 高圧電場処理がウンシュウミカン果実の品質に及ぼす影響
- パッションフルーツ中のプロテアーゼインヒビターの研究
- 種子の発芽および初期生育に対する電場処理効果
- マルブッシュカン果実(Citrus medica L.)の成熟に伴うリモノイド含有量の変化
- カボス果実の脱緑に伴うクロロフィルの分解〔英文〕
- キンカンとポンカン果実の成熟及び貯蔵中の揮発性成分とエセホン処理の影響
- キンカンとポンカン果実の成熟及び貯蔵中の遊離アミノ酸含量とエセホン処理の影響
- オオタチバナ果実(Citrus otachibana hort.ex Y.Tanaka)のリモノイドの時期別変化
- グアバの成熟に伴う揮発性成分の生成
- キウイフルーツ果実の追熟中のプロテアーゼ活性とその分布
- エチレンによるキウイフルーツの追熟促進
- キンカン果実の成熟に対するエセホン処理の影響
- カンキツ果汁の脱苦味に用いるリモノイド分解酵素生産菌の検索
- プリンスメロンの成熟に伴う化学成分の変化および正常果と発酵果との比較
- 新鮮パッションフルーツ果汁のラット成長に対する影響
- ハッサク及びブンタン果実のリモノイドの時期別変化〔カンキツ果実のリモノイドに関する研究-2-〕
- カボスの貯蔵に関する研究
- 桑の落葉と離脱促進葉の遊離アミノ酸
- ポンカン果実の成熟に対するエスレル(2-Chloroethylphosphonic acid)処理の影響
- 成熟・貯蔵に伴うカンキツ果実の成分変化
- ブンタンの成育に伴う果実形質と貯蔵適性に関する研究
- パッションフル-ツ(Passiflora edulis Sims)果汁中のプロテア-ゼ
- カンキツ類のリモノイドに関する研究 : I.ポンカン, タンカン, 早生ウンシュウ, ナツダイダイ果実のリモノイド組成の時期別変化
- 亜熱帯性果実の果汁品質に関する研究 : I.ポンカン, タンカンの有機酸, 糖分および香気成分等の時期別変化
- ユズ種子中のリモノイド
- スダチ種子中のリモノイド
- マルブッシュカン果実 (Citrus medica L.) の成熟に伴うリモノイド含有量の変化
- グアバに含まれるポリフェノールの消長とその特性
- tert.-Butylhydroperoxide 処理による赤ビート切片からのベタシアニン リーケージに及ぼす各種の添加物質の影響
- バナナ果実の貯蔵に対する温湯, 塩化カルシウムおよび修正空気の効果
- カボス果実の脱緑に伴うクロロフィルの分解
- ハッサク及びブンタン果実のリモノイドの時期別変化
- パッションフルーツ (Passiflora edulis Sims) 果汁中のプロテアーゼ
- 加熱褐変中のカキタンニンの変化とその精製
- カキシブおよびそのタンニン分解産物によるEscherichia coli B/rの紫外線誘導突然変異の抑制作用
- tert.-Butylhydroperoxide 処理による赤ビート切片からのベタシアニン リーケージの諸性質
- 数種類の幼果に含まれる縮合型タンニンの化学的比較研究
- 2-クロルエチルホスホン酸による桑葉離層部の細胞壁分解酵素活性の変化
- ユズとスダチの実生の茎における14C-酢酸からのノミリンの生合成
- スダチ種子中のリモノイド
- 収穫後の果実, 野菜に対する高圧電場の影響
- カキ果実の脱渋機構を解明するための呼吸阻害剤を用いたモデル実験
- 大豆油の酸化安定性に対する高圧電場処理の影響
- 大豆油の酸化安定性に対する高圧電場処理の影響
- Effect of High Electric Fields on Some Fruits and Vegetables.
- Chlorophyll Degradation by Peroxidase in Ethylene-treated Satsuma Mandarin Fruits.