グアバに含まれるポリフェノールの消長とその特性
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概要
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熱帯•亜熱帯性果実の有効利用を目的としている一連の研究の中で, グアバの葉•果実に多く含まれているポリフェノールの消長と特性を検討した.1. ポリフェノールの消長を調べる目的には, Peri とPompei の分別定量法による分析が有用であることが分かった.2. グアバの幼果は100g当たり約600mgの総ポリフェノールを含むが, その約68%は縮合型タンニンが占めていた. また, 果実の生育に伴って急激に減少することが明らかとなった.3. プロアントシアニジン量も果実重の増加とともに顕著に減少した.4. GPC分析により, 高分子ポリフェノールが主に減少することが分かった.5. グアバ葉 (8月3日採取のもの) には, 果実に比べて約10倍量のポリフェノールが含まれていたが, その84%が縮合型タンニンであった.6. HPLCにより, 幼果と成葉の抽出物より (+)-カテキンと (+)-ガロカテキンを同定した.以上の結果から, グアバの幼果及び葉に含まれるポリフェノールの大部分がフラバン系のポリフェノール, 特に, (+)-カテキンと (+)-ガロカテキンから成る縮合型タンニン (プロアントシアニジン•ヘテロポリマー)であることが推定された.
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