空間記憶の神経回路モデル : 地図の連想
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概要
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神経生理学や心理学の実験データによると, 脳の中で記憶が蓄えられている場所と, 想起された情報(外界のイメージ)が現れる場所とは, 異なっていることが示唆される.また, 外界の空間情報のイメージは, トポロジーを保ったまま, 自己中心的なパターンで表現されていて, それはある有限の大きさのパターンであると考えられる.我々は以前, このような考え方に基づいて地図の連想を行う神経回路モデルを提案した.以前のモデルは空間内の任意の位置を中心とする断片的な地図をあらかじめ多数記憶しておくと, 空間内の移動に伴って変化する周辺の様子に応じて連想回路から周辺の地図を想起し続けることができる.このモデルでは, 地図の記憶の過程と想起の過程を全く独立に扱っていた.しかし脳は, この二つの過程を並列に行っていると思われる.つまり, 脳は外界の刺激に応じて常に何かを想起しようとしながら, 何も想起できない場合には, そのとき受けた外界からの刺激を未知の情報であるとして新たに記憶すると考えられる.そこで本論文では, 従来のモデルにこの機能を追加した.モデルは空間内を移動しながら, 以前に記憶した場所ではその地図を想起して頭の中に思い浮かべ, 何も想起できない場合にはその周辺の地図を新しく記憶していく.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1998-02-25
著者
-
岡田 真人
科学技術振興事業団戦略的創造研究推進本業(さきがけ研究21)
-
福島 邦彦
大阪大学大学院基礎工学研究科
-
福島 邦彦
大阪大学 大学院基礎工学研究科 システム人間系
-
福島 邦彦
関西大学総合情報学部
-
山口 芳央
(株)ジャストシステム
-
岡田 真人
科学技術振興事業団
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