脳における空間記憶のモデル:地図の連想
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概要
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本研究において我々は,空間的な情報はある大きさを単位とする断片的なパターンとして獲得・記憶され,空間的に連続な記憶の想起は,イメージ(頭の中に思い描いているパターン)に対して空間的につながるパターンを,多数の断片的な記憶パターンの中からを想起し,イメージに統合することによって実現されると仮定した.そして,このような空間記憶を実現するモデルを構築した.このモデルの記憶・連想部には相関マトリクス型連想記憶を用いたが,相関マトリクス型連想記憶では位置ずれのあるパターンどうしは違うものとみなされる.ゆえに,空間的につながるパターンを想起したい場合,それがイメージのどの位置に中心を持つパターンに対応しているのかということを知る必要がある.そこでモデルでは,積み重ねパターン(記憶したパターンを全て重ねたパターン)というものを考えた.そして,イメージと積み重ねパターンとで相互相関を計算し,その値が最大となるイメージの位置を中心とするパターンに対応する記憶パターンがあると推定した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-07-27
著者
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山口 芳央
(株)ジャストシステム
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山口 芳央
Department of Biophysical Engineering, Faculty of Engineering Science, Osaka University
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福島 邦彦
Department of Biophysical Engineering, Faculty of Engineering Science, Osaka University
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