パッシブセンサーと画像を用いた行動追跡法 : 保育園における幼児活動記録への適用を目指して

概要

論文の詳細を見る
少子化は,大きな社会問題であり,政府は「子育て支援」を重要施策としている。一方で,子育て支援の中核を担う保育所は、少子化に伴い「生き残り」をかけた競争差異化を要求されている。このような背景から,幼児の位置情報を利用した保護者向サービスシステムの開発が試みられている。しかし,従来の電波を利用した位置検出は,幼児を対象とする場合,保護者によけいな不安を抱かせる恐れがある。そこで本稿では,電波等を利用しないパッシブセンサーのみで幼児の活動位置を検出する手法を提案する。TVカメラの動画から検出した移動体の位置と,幼児に装着した加速度センサーのデータを照合し,個人を特定しつつ,部屋の中での位置を記録する。プロトタイプ実験の結晃自然画像からの移動体抽出では,画像処理アルゴリズムの問題やセンサーの特性により一定の照合に留まったが,移動体にマーカーをつければ十分に照合可能であった。但し,自然画像からの移動体抽出は,更に運用が容易であり,検討の必要がある。
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-03-14