複数の動的な網のモデルの協調による顔部品の抽出

概要

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顔部品を抽出する問題は、個人同定やマン・マシンインターフェイスなどへの広範囲な応用が考えられ、従来から様々な手法が試みられてきた。投影やテンプレートマッチングを用いる手法はアルゴリズムが簡単であるが、照明や背景、回転などの影響を受けやすく、制御された環境における画像に対してでないと有効でない。また、Deformable Templateによる顔部品の抽出法は、照明や回転の影響を受けにくいといった特徴があるが、テンプレートの初期位置を従来のテンプレートマッチングのような手法を用いて設定する必要がある。本稿では、複数の動的な網のモデルの協調により、顔輪郭および目、口唇といった顔部品を抽出する手法について述べる。エネルギー最小化原理に基づく動的な網のモデルは、抽出する領域の形状やテクスチャの情報などを盛り込むことができる。この動的な網のモデルを協調して動作させることにより、画像中の顔位置や大きさ、回転、照明条件などに対してロバストで、網を特定の初期位置に設定せず顔部品を抽出することが可能となる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-09-20