森林の生産構造に関する研究(II) : シラカンバ幼令林における現存量の推定と生産力についての若干の解析
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概要
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北海道東南部の釧路地方で, シラカンバの幼令林の現存量を推定し, その生産構造について若干の解析を加えた。この林は立木本数haあたり9,000〜26,000の二次林で樹高は5.5 m以下であるが, 9コの標準地と28本の供試木について調査し, 胸高直径を媒体としてhaあたりの幹, 枝, 葉の重量や, 葉面積, 生長量などを推定した。haあたりの葉重量は生重量で4.0 ton, 乾重量で1.2 ton, また, 葉面積は3.5 haで立木密度にかかわらず一定となつた。haあたりの幹の重量は立木密度が高い方が, また枝の量は立木密度の低い方が多い。根や, 色々な損失を無視したミカケの当年の乾物生産量は5.0 ton/haとなつた。ただし当年の生育期間がまだ終了していないから年間の生産量はこの値よりいくらか大になる。1 m^2の葉が1週間に生産する乾物量は約11 gと推定される。供試木の測定は層別刈取法によつたので, この林分の生産構造図を描いたが, 一般の成熟した落葉広葉樹林の葉が平面的に拡がつているのに対し, この幼令林では3次元的な分布を示していた。林冠層直下の照度は林冠層直上の照度の5.4%であつた。
- 日本森林学会の論文
- 1961-01-25
著者
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