材木の競爭に関する研究(II) : スギ苗で仕立てた模型林分での間伐試験
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概要
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現実の林分を対象として間伐試験を行なうのは, 大面積, 長期間を必要とし, 従つて費用も多額にのぼり, 種々の危害にもあいやすい。そこで苗畑に苗木で模型の林分を仕立て, 小面積, 短期間で間伐処理と生産量の関係を求めようとした。1m^2当りスギ苗100本植えを, 1単位とし, 次の5処理を5回くり返した。I.無間伐区 : 無処理II.枝打区 : 隣接の個体との接触を少なくするため生枝葉を除去III.下層間伐区 : 下層の被圧された個体のみをくり返し収穫する。IV.上層間伐区 : 上層の優勢な個体のみをくり返し収穫する。V.機械的間伐区 : 早期に1本おきに収穫しあと放置 昭和31年4月に試験着手, 33年9月までに処理を5回, 測定を8回くり返し, 地際直径と苗長を基にして幹生重量を算定した。33年12月には全苗木を掘り取つて実測した。その結果, 単位面積あたりの幹の総収量(主間伐合計質量)は下層間伐区と無間伐区が大であつた。平均個体重は下層間伐区と機械的間伐区が大であつた。無間伐区は, 面積当りの生長は大であるが個体数が多いので平均の個体量は小である。単位面積当り最大の収穫を得るためには, 完全に閉鎖した状態で, 当然枯死に至ると思われるような生長のたちおくれた個体のみをくり返して間伐していくのが有利であると思われる。また, この方法は平均して大きな個体を得るのにも効果があるようである。機械的間伐区で行なつたような強度の間伐を行なうと, 閉鎖が大きく破れて, 間伐直後の幹の生長量は無間伐ないしは軽度の間伐を行なつた林分より小である。しかし, 間伐後充分な時間がたてば, その生長量は無間伐や軽間伐を行なつた林分に匹敵するようになるようである。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1959-09-25
著者
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