森林の生産構造に関する研究(VI) : 足場丸太生産スギ林の生産力について
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概要
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長崎県下の密植・無間伐で施業されているスギの足場丸太生産林で, 11,22,31年生林分の現存量を推定し, その生産構造について若干の解析を加えた。1962年11月にこれらの林分内に合計5コの標準地を設け, 胸高直径や樹高を測定し, 各林分から8〜9本の供試木を選んで層別刈取法によって計測した。その結果から現存量を推定した(Table 1.)。林分の葉量の垂直分布は林齢が大きくなると分布の幅が広くなるが, 分布の型はよく似ている(Fig.1)。林冠層下の相対照度は0.6%で葉の乾重に対する吸光係数は0.26(ha/ton)と計算された。地上部全重に対する地上部非同化部分, 幹重の相対生長関係は林分差があまり認められないが, 枝, 葉重では林齢差がみられる(Fig.2,3)。直径が小さいほど, 全地上部重中で占める葉の割合が, 22,31年生林では小さくなり, 11年生では逆であった(Fig.4)。林齢との関係では, 林齢が大きくなるほど葉の占める割合はすくなく, 枝がやや多くなる傾向がある(Fig.5)。胸高断面積に対する地上部非同化部分重の相対生長関係(Fig.6)を用い, 当年生葉重を全葉重の1/4,根を全現存量の1/5と仮定して純生産量を求めた(Table 2)。純生産量は31年生まで林植とともに増加の傾向にある(Fig.7)。葉の年間幹材積生産は0.8〜1.0dm^3/kg・yr.(Fig.8), 年間乾物生産は0.6〜0.8kg/kg・yr.であった。
- 1964-07-25
著者
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只木 良也
信州大学理学部
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只木 良也
農林省林業試験場
-
長友 安男
農林省林業試験場九州支場
-
尾方 信夫
農林省林業試験場九州支場
-
吉岡 清
長崎県総合農林センター
-
宮川 良幸
長崎県総合農林センター
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