森林の生産構造に関する研究(XVII) : 林冠内での葉の比面積の垂直的変化

概要

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6林分(Table 1)の林冠層をいくつかの層に分け, それぞれの層での葉の比面積(面積/乾重, specific leaf area)を求めた。比面積は下層ほど大きくなるので, 葉面積の垂直分布は葉重量のそれより若干下層がふくらんだ形となる(Fig. 1)。比面積(f)とそれより上に存在する葉面積指数(F)の関係はf=aF^b+c (1)あるいはlog f=dF+log c' (2) で近似できる(Fig. 2,3,Table 2)。(2)式とBEER-LAMBERT式((3)式)を組み合わせるとlog f=-k log(I/I_0)+log c' (5)となり, 比面積と相対照度(I/I_0)の関係が得られる(Fig. 4,Table 3)。ここで, 係数c, c'は, 本質的に同一のもので, F=0あるいはI/I_0=1(100%)のときのfの値, すなわち, 林冠最上層あるいは陽光量満度のときの比面積を示す。(5)式およびfとI/I_0の関係を表わす他の2つの式((6), (8)式)の適合度に関して若干の比較が行なわれた(Table 4)。
日本森林学会の論文
1970-09-25