森林の生産構造に関する研究(V) : モリシマアカシヤ人工林の生産力について
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概要
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熊本県天草郡で, モリシマアカシヤの7,5,3年生の人工林の現存量を推定し, その生産構造について若干の解析を加えた。このうち3年生林のみは未閉鎖の林であったが, それぞれの林分に計7コの標準地を設け, 供試木15本を選び層別刈取法によって計測した。供試木の個体ごとの胸高断面積と, 各部重量, 乾材積などとの間の相対生長関係(図-1,2,5)を用いて, 標準地の現存量その他(表-1), および地上部の生産量や乾生長量(表-2)を推定した。個体ごとの胸高直径と, 地上部非同化部分の相対生長関係は, 数種の常緑広葉樹共通のものが求められるようである。(図-3)。全地上部重が大きくなるほど, その中で葉や枝の占める比率が大きくなる傾向がある(図-4)。モリシマアカシヤのhaあたり葉乾重は8 ton前後, 根やいろいろな損失を無視したミカケの当年の乾物生産量は28 ton/ha・yearと算定された。したがって乾重1 tonの葉の年間乾物生産量は3.5〜4.0 ton/ton・year程度となる。葉量の垂直分布は, 林分が閉鎖すると上層に集中する型となる。林冠層下の相対照度は2.4〜4%で, 吸光係数は0.4〜0.5 ha/tonと算定された(図-6,7)。1 kgの葉乾重の年間幹材積生産は3.7 dm^3/kg・yearであった(図-8)。今回の調査資料に, 福岡県下の資料も加えて, 直径変数, および直径・樹高変数の幹材積表を調製した。(図-9,表-3,4)。
- 1963-09-25
著者
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