小径木間伐に関する研究(V) : 間伐後6年間のスギ林の林況および現存量の変化について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
林齢10年生のスギ人工林で, 胸高直径の小さい木から順に間伐する-小径木間伐-を行ない。その後6年間林況や現存量の変化について調査を行なってきた。平均胸高直径の生長量は, 強度間伐区が弱度間伐区にくらべて大きい。平均樹高生長量は間伐の度合と関係がみられず, 似た値をしめした。幹や地上部の現存量の増加量は, 間伐後3年目までは無間伐区や弱度間伐区が強度間伐区にくらべて高いが, 間伐後5,6年目でその差は少なくなる。間伐後6年間の幹現存量の増加量は, 無間伐区が強度間伐区の約1.3倍であったが, 地上部重の増加量には両者の差がほとんどみられなかった。幹現存量の間伐後6年間の増加量に間伐量を加えると41〜58ton/haで, この値は間伐の度合と一定の関係がみられなかった。葉量は、無間伐区および弱度間伐区が間伐後3〜4年目(林齢13〜14年)で最大値をしめした。強度間伐区の純生産量は, 間伐後1〜3年は無間伐区や弱度間伐区にくらべて低いが, 5〜6年目でその差は少なくなる。
- 日本森林学会の論文
- 1975-07-25
著者
-
四手井 綱英
京都大学農学部
-
川那辺 三郎
京都大学農学部附属演習林北海道演習林
-
斎藤 秀樹
京都府立大学農学部
-
四手井 綱英
京都府立大学
-
四手井 綱英
京都大学
-
斎藤 秀樹
京都大学農学部
-
川那辺 三郎
京都大学農学研究科
関連論文
- 森林構造と光環境に関する研究(I) : ヤマハンノキ苗を用いた模型林分実験(1)
- 米国北西部の主要3植生帯の森林の現存量と生産量
- 320.施肥密度試験(第2報) : スギを用いた模型林分における施肥密度効果(立地)(第71回日本林学会大会)
- 319.施肥密度試験(第1報) : イイギリ苗を用いた模型林分における施肥, 密度効果(立地)(第71回日本林学会大会)
- トチノキ林の再生産器官の生産量 : とくに花粉と種子について(林学部門)
- 雄ずい数,花粉のう数及び花粉形成からみたクスノキの花の変異
- 市街地におけるクスノキの果実の成長及び生産に関する研究
- 林齢の異るミズナラ林における雄花, 花粉, 雌花及び種子生産の比較(林学部門)
- 東向き及び西向き斜面のミズナラ老齢林における花粉, 雌花及び種子生産の比較(林学部門)
- コナラ成熟林における繁殖器官各部の乾物生産と種子生産における花粉粒及びめ花数の関係(林学部門)
- シイ林における生殖器官各部の生産量と種子生産に影響する要因(林学部門)
- 壮齢アカマツ林の花粉生産量
- 75 年生アカマツ林の花粉生産速度(林学部門)
- 京都市北部の貧弱な天然生ヒノキ林の純生産速度(林学部門)
- タイ国森林の第一次生産力
- 327 熱帯林の林分生長量の推定(第78回日本林学会大会)
- The Estimation of the Standing Crop of the Forest in Northeastern Thailand
- 421.北アルプス焼岳でみられる植生遷移(立地)(第71回日本林学会大会)
- 森林の生産構造に関する研究(II) : シラカンバ幼令林における現存量の推定と生産力についての若干の解析
- 降水中にふくまれる放射能物質による苗畑苗木の汚染について
- 118. クロマツのツギ木の水分生理について(第67回日本林学大会プログラム)
- 常緑針葉樹ヒマラヤスギの春の落葉季節について
- 風化花崗岩の割れ目に生育するヒメヤシャブシの種子生産
- ヒノキ林の生殖器官生産量および種子生産様式--立木密度および斜面上部と下部による違い
- 小径木間伐に関する研究(V) : 間伐後6年間のスギ林の林況および現存量の変化について
- スギ幼齢林の一次生産力とその推定法の検討
- ヒノキ林地下部の生産と構造(I) : 樹根解析による根の生産量の推定
- カンレンボク小型林分の葉令に関する2,3の考察
- 縄文文化と雪
- 日本雪氷学会40年の歩み
- On the Biomass of Soil Animals Found in Various Types of Forests in Thailand
- 439 除草剤散布の土壌動物に与える影響(第77回日本林学会大会講演要旨)
- 116. 森林の落葉層および、表層土中に棲息する無脊椎動物の、個体数および現存量の季節変動について(第76回日本林学会大会講演要旨)
- 京都付近のモミ, スギ, アカマツおよび混交広葉樹林の落葉層および土壌中の動物相について
- 509. 森林落葉層の動物相について(第74回日本林学会大会講演要旨)
- 628.落葉・落枝の分解に働く鞘翅目昆虫について(予報)(第72回日本林学会大会)
- 現場の技術者の林学会離れに就いて(リレーメッセージ研究から現場から(5))
- 森林資源と木材利用(日本林学会・日本木材学会合同シンポジウム記録)
- 1. 林地の地力維持 : 生態学的観点からの地力問題(第4回森林立地懇話会総会)
- 京都府芦生にあるスギ人工林の二次師部生産速度
- 〇環境アセスメント, 原則と方法, 島津康男(訳), Environmental Intact Assessment "Procedures and Principles", 189ページ, 環境情報科学センター, 東京, 1975,1,200円
- アカマツの種子におよぼす動物の影響 : II.種子の生産と稚樹の形成
- アカマツの種子におよぼす動物の影響(I)
- リュウキュウマツの核型分析
- 森林生態系における養分の循環について(I) : 個体および林分の地上部の養分量
- 412 マツ類の球果成熟期間の短縮について(III)(S)(第78回日本林学会大会)
- 328 樹木花粉の超低温貯蔵に関する研究(VI) : Cedrus花粉の予備凍結効果(S)(第78回日本林学会大会)
- Applied Scientific Research Corporation of Thailand の動向について
- 703.スギ母樹別造林地におけるスギ葉角および球果苞鱗片の突出した角度の変異について : (予報)(第72回日本林学会大会)
- ジベレリンによるメタセコイア, スギの開花について(第II・III報)
- 619.スギ・メタセコイアのジベレリン処理による開花と交配試験について
- 618.スギの開花に及ぼすジベレリン処理の適期について
- ジベレリンによるメタセコイア, スギの開花について(第I報)
- 405 樹下植栽したスギの生長について(第77回日本林学会大会講演要旨)
- 308. トウネズミモチの庇陰効果について(第76回日本林学会大会講演要旨)
- 陽光量と樹木の生育に関する研究(I) : 2、3の落葉広葉樹苗木の庇陰効果について
- 330. アキニレの庇陰効果について(第75回日本林学会大会講演要旨)
- 601. ヤマハンノキの庇陰効果について(第74回日本林学会大会講演要旨)
- ツバキ林の生産構造と物質生産量
- アカマツおよびクロマツの核型分析(I)
- 森林節足動物の密度および現存量の推定方法について
- 材木のさし木に関する研究(第2報) : ポプラのさし木の発根に対するホルモン処理の効果について
- 樹木の光周性に関する研究 : アカマツ稚苗の発育に対する日長処理の有効期および処理期間
- 306.樹木に関する光周性の研究(I) : アカマツ稚苗の冬芽形成に対する限界日長(立地)(第71回日本林学会大会)
- C 林業 : 東南アジアの林業(東南アジア農業技術シンポジウム特集号)
- 302.ジベレリン処理によるスギのクローンおよび地方品種の花芽の着生状況と花粉の機能について(立地)(第71回日本林学会大会)
- 620.ジベレリン処理によるヒマラヤシーダおよびストローブマツの花粉の発芽について
- 301. 稚苗立枯病の立地学的考察(6) : まきつけ密度と被害の関係(保護)(第68回日本林学会大会)
- 418. 稚苗立枯病の立地学的考察(1) : 施肥と被害の関係(第67回日本林学大会プログラム)
- 積雪と樹木の生活形
- スギ山地直さしに関する研究
- 519. 林木のさし木に関する研究(第9報) : メタセコイアのさし木根の発生位置と小葉枝着生位置との関係(造林)(第68回日本林学会大会)
- 材木のさし木に関する研究(第7報) : 芽の有無とホルモン処理が発根に及ぼす影響
- 林木のさし木に関する研究(第6報) : 採穗部位と発根との関係
- 林木のさし木に関する研究(第5報) : さし穗の葉量の多少とホルモン処理
- 林木のサシ木に関する研究(第4報) : サシ穂の葉量の多少とホルモン処理
- 725.パキスタンのマツ林とアカマツ林の物質生産について(第72回日本林学会大会)
- 205. 樹種混交の増産に及ぼす効果
- なぜ私は森を必要とするか--文明に対峙してそびえ立つ多様さ (いま森が語りかける)
- 721. 針葉樹稚苗の立枯病に対するミクロフロラのコントロールについて
- 302. 稚苗立枯病に対するミクロフロラのコントロールについて(保護)(第68回日本林学会大会)
- 614.マツノシンマダラメイガの加害について : (I)加害形態について(森林保護)(第71回日本林学会大会)
- 613.マツノシンマダラメイガの加害について : (I)加害マツ属について(森林保護)(第71回日本林学会大会)
- 302.環境の変化に応ずる土壤有機物の消長について(第1報)(第65回日本林学会大会)
- 林地の有機物集積量とその年分解率と気候との関係
- 林木の競争に関する研究(IV) : 生長にともなう林分内の個体順位の変動
- 522.アカマツ幼樹を用いた模型林分における間伐試験(造林)(第71回日本林学会大会)
- 森林の生産構造に関する研究(I) : アキニレ稚樹林における葉量の時期的変化とその乾物生産
- 721.材積生産構造図(仮稱)の提案(2) : その利用方法と検討
- 720.材積生産構造図(仮稱)の提案(1) : その意味と作図方法
- 204. 模型林分による間伐試験(3)
- 林木の競争に関する研究(I) : 種間競争に及ぼす巣うえの効果
- 116. 模型林分による間伐試験(2)(造林)(第68回日本林学会大会)
- 135. 強度の枝打ちによる個体成長よくせいが林分成長に及ぼす影響(第67回日本林学大会プログラム)
- 134. 間伐の模型実験(第1報)(第67回日本林学大会プログラム)
- 727.常縁広葉樹林の林分の蓄積について : シイ林についての予報(第72回日本林学会大会)
- スギが混交する若齢天然生林の保育技術(I) : 除伐後16年間の林分構造の推移
- 612.天然生トドマツ林の乾物, 養分現存量(第72回日本林学会大会)
- 335 スギ伏条の生態について
- 232. 環境の変化に応ずる土壤有機物消長について(第2報)(第67回日本林学大会プログラム)