シイ林における生殖器官各部の生産量と種子生産に影響する要因(林学部門)
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概要
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京都盆地をとりまく低山帯のシイ5林分を対象にして1982,83年の林分あたり雄花, 花粉, 果実の生産量(乾重と個数)をトラップ法で調査し, 開花∿種子散布の過程を解析した。花粉生産量は既報4樹種より多く, 粒数では2.6×(10)^<14>ha^<-1>y^<-1>を記録した。雄花の生産量は林分の生育段階の進行に伴い増加するが, 果実にはこの傾向が認められない。生殖器官全体の生産量は10資料のすべてが1t ha^<-1>y^<-1>をこえ, うち3林分は3∿5.5t ha^<-1>y^<-1>に達した。1982年開花に由来する生殖器官部分の乾物割合は雄性 : 雌性が1 : 1の3林分と1 : 3の2林分にわかれ, この関係は花粉粒数P/め花数Fの比によって整理できた。前者3林分のめ花数には2倍の較差があるが結実率(21%)は等しかった。P/F比が前者の半分しかない後者2林分では結実率が高い林分(31%)と低いもの(17%)とがあった。若い林分ではP/F比が小さいが, 結実率は高い傾向がみられる。シイ種子生産を決定する要因にはめ花数と結実率の二つが認められた。
- 京都府立大学の論文
- 1987-11-18
著者
-
齋藤 秀樹
京都府立大学農学部
-
斎藤 秀樹
京都府大 農
-
齋藤 秀樹
京都府立大学大学院農学研究科森林生態学研究室:(現)東邦レオ(株)
-
斎藤 秀樹
京都府立大学農学部
-
竹岡 政治
京都府立大学農学部造林学研究室
-
井坪 豊明
京都府立大学農学部造林学研究室
-
井坪 豊明
京都府立大学農学部林学科
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