残土処理場に成立したオオバヤシャブシ幼齢群落の乾物生産の特徴 : とくに繁殖器官について

概要

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腐植をほとんど含まない岩屑上に成立した先駆樹オオバヤシャブシ群落について1987年(7年生)と1988年(8年生)の乾物生産を調査し, 各種森林との比較検討を行った。葉現存量は1987年5.33t/ha, 1988年5.88t/haと大きくて, 閉鎖直後のピークの時期にあった。このときの地上部純生産量は20t/ha・year前後と推定した。純生産量中で幹枝の占める割合は両年ともに60%(幹のみ45%), 葉30〜35%, 繁殖器官3〜6%, その他は約2%, また現存量増分にまわるのは55%で, 残りの大半は腐食連鎖に流れる。これらの数値は温帯のふつうの森林の場合と一致する。繁殖器官生産量は'1 : 050と714kg/ha・yearで, このうち花粉(296と212kg/ha・year)は約30%を占めた。雄性部分の生産量は全体の80%前後に達した。種子は約30kg/ha・yearで繁殖器官の3〜4%, 地上部純生産量中では0.2%に満たない。繁殖器官の生産について比較検討のできる資料は少ないが, 以上のような特徴が明らかとなった。
1990-05-01