京都府内全スギ林で生産されたスギ花粉総量はどれほどか : 1997 年-2000 年までの各年の総数試算
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概要
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京都府相楽郡和束町湯船の約40年生スギ3林分および京都市北部の高齢スギ2林分において, 1997年∿2000年までの花粉生産量をリタートラップ法で調査した。その結果をもとに, 京都府内全スギ林が生産した花粉総量(粒数)を試算した。計算方法は, (齢級別スギ林面積)×(各齢級の平均開花雄花数)×(雄花中の平均花粉数)である。花粉生産量は1997年の平作年から始まり, 凶作⇾平作⇾凶作と多い少ないを繰り返した。しかし, 高齢2林分では2000年の減少は認められなかった。大豊作1995年以降には未開花雄花の落下が増加傾向にある。これは雄花着花の過多が原因となる落花・落蕾, つまり中絶と考えられた。京都府内全スギ林68,666haが生産した花粉総量は1,250×10^<15>個(1997年・1999年)∿134×10^<15>(1998年)の範囲と計算された。これらの花粉が土地面積全体460,780haに均一拡散したと仮定すると27,000/cm^2∿2,900/cm^2となる。花粉生産量は膨大な数になるので,平作年のスギ花粉(250×10^3/cm^2)が10,000倍の土地に均一拡散したとき20∿30/cm^2粒に達する。これは里山の代表種コナラやクリなど, 草本のセイタカアワダチソウでも全く同様の結果になる。開花期には, 様々な花粉が大量に群落周辺に四散しているのが自然の環境であり, このような環境にヒトは適応し繁栄してきたのである。
- 京都府立大学の論文
- 2001-12-25
著者
-
齋藤 秀樹
京都府立大学農学部
-
糟谷 信彦
京都府立大学大学院農学研究科森林生態学研究室
-
齋藤 秀樹
京都府立大学大学院農学研究科森林生態学研究室:(現)東邦レオ(株)
-
糟谷 信彦
京都府立大学大学院生命環境科学研究科
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